出版社内容情報
埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」。日々、資金操りに頭を抱える四代目社長の宮沢紘一は、会社存続のためにある新規事業を思い立つ。これまで培った足袋製造の技術を生かして、「裸足感覚」を追求したランニングシューズの開発はできないだろうか? 世界的スポーツブランドとの熾烈な競争、資金難、素材探し、開発力不足―。従業員20名の地方零細企業が、一世一代の大勝負に打って出る! ドラマ化もされた熱き企業小説の傑作!
内容説明
埼玉県行田市にある老舗足袋業者「こはぜ屋」。日々、資金繰りに頭を抱える四代目社長の宮沢紘一は、会社存続のためにある新規事業を思い立つ。それは、伝統の技術を駆使したランニングシューズの開発だった。世界的スポーツブランドとの熾烈な競争、素材探し、開発力不足…数々の難問が立ちはだかるなか、従業員20名の地方零細企業が、一世一代の勝負に打って出る。ドラマ化もされた超話題作、ついに文庫化!
著者等紹介
池井戸潤[イケイドジュン]
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒業。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
470
ちょうど、ランニングシューズを新しくしたタイミングで文庫化されたので再読。文庫だと、こんなに分厚くなることにまずビックリ。改めて読んでみると、オイシイ場面展開や山場が多く、長さが全く気にならないのはすごい。単行本のレビューでも書いたように、『下町ロケット』とは、著者の描く組織像に変化が見られ、今作の宮沢社長は、基本、決断以外の仕事はしない。ここら辺から、自然にボトムアップが為されるチームが描かれるようになって、『下町~』の続編でもその流れは継承されている。同じようなことが解説でも言及されている。2019/08/02
三代目 びあだいまおう
313
零細老舗の弱小足袋メーカーが企業存続を懸けてスポーツシューズ業界に勝負を挑む!次々と立ちはだかる壁と危機、大企業によるモラル度外視の攻撃!飛躍の兆しが見えた途端の倒産危機!『下町』『ルーズヴェルト』に代表される池井戸作品の王道。既読感さえ伴うほどの類似したプロットだが、この手のストーリーに弱い身ゆえ幾度か涙する。古株社員がいい!頑固一徹顧問がいい!息子も選手も!池井戸さんが似たプロット作品で我々を感動と明日へのモチベーションを刺激し続けるのは、きっと我々に託した『日本企業再生へのエール』なのだろう‼️🙇2020/02/09
KAZOO
166
数年前に単行本が出版されてテレビドラマが話題になったことがありました。文庫になったので、この分厚い本を読んでみました。原田マハさんの「リーチ先生」と同じように一気に読んでしまいました。足袋屋がランニングシューズに乗り出すまでのところを駅伝の選手や靴の素材を作っている会社の元経営者、あるいは金融機関の担当者などを交えて物語を紡いでくれます。中小企業の生き様をうまく描いてくれています。2019/07/09
のり
151
老舗足袋業者の「こはぜ屋」は先細りの現況を打破する為に新事業に乗り出す。足袋作りのノウハウを生かしランニングシューズ開発へ…しかし次々と立ちはだかる壁や資金繰り・大手の圧力…「陸王」誕生までの苦難が半端なかったが、チームこはぜ屋の結束力には心射たれる。信頼関係や新たな出合いが財産になっていく。「足軽大将」のネーミングも好きだ。池井戸作品の中小企業はヤル気を喚起させてくれる。2020/04/25
小説を最初に書いた人にありがとう
139
文庫化よりドラマ化が早い池井戸作品を恨めしく思いながらドラマにはまるパターンが続く。少し忘れた今、読み始めた。つもりが登場人物の顔が次から次に頭に浮かぶ。役所広司、小籔、寺尾聰、竹内涼真に高橋賢人。ドラマが原作に忠実で再放送を見てるようだった。逆に好きだったシーンが無いと気になる始末。タチバナラッセルの工場での決別のシーン、銀行の新担当が実はいい奴だった瞬間、など。。同じなのは最後の親子の会話「世界を見てこい、大地」で号泣。それにしてもピエールのせいでこの名作が再放送できなくなったら本当にもったいない。。2019/07/25