出版社内容情報
祖父の趣味を引き継ぎ、鉱物に興味を持ち始めた中学生の樹と、水晶や蛍石など、鉱物に宿る「石精」との触れ合いを描く青春ストーリー。地球が生んだ芸術品の魅力をあなたにも。(解説・フジイキョウコ)
内容説明
中学生の樹が亡き祖父から受け継いだハート形の水晶。その石精である雫は、樹の心を癒し、鉱物の魅力を伝えてくれた。他の石精も見ることができる樹は、カリスマコレクターの抱える人知れぬ苦悩を知り、骨董屋のおじさんの桜石にまつわる思い出に触れる。そして、翡翠の産地である糸魚川へと―。地球の生んだ芸術品・鉱物の魅力に溢れたセンシティブな物語。著者による鉱物エッセイも収録。
著者等紹介
蒼月海里[アオツキカイリ]
1983年宮城県生まれ。元書店員の小説家。2014年『幽落町おばけ駄菓子屋』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
90
蛍石、桜石、翡翠。名前だけでも美しくて物語を感じてしまう。石精に導かれて成長していく主人公。石精の雫もまた一歩を踏み出す。TVでミネラルショーの様子を見たことがあるが、鉱物の世界は奥が深くてたくさんのファンがいることに驚いた。この本でまたその裾野が広がるのかもしれない。巻末のエッセイにも著者の鉱物愛が溢れていて面白かった。2019/06/29
真理そら
64
鉱物という分野に全く興味のない私にも楽しく読める。「桜石の思い出」は美しく優しい物語だった。でもこの桜吹雪はあちこち切り傷ができそうな気がしないでもない。前巻ではさりげなく登場した骨董屋がいい味を出している。(知識が全くないため)登場する石をネットで調べながら読んだので時間のかかる読書になった。2019/10/05
ぽろん
51
シリーズ2巻。亡き祖父から受け継いだ石の精と過ごす中学生の樹。鉱物の色々な知識を伝えてくれる石精の雫と樹の会話が穏やかで心地よい。今回は、巻末に蒼月さんの鉱物エッセイもあって、楽しかった。2019/06/10
kei302
40
「鉱物沼」初心者の樹:たつき(14歳)が出会う鉱物たちと石霊と石友(ヒト)。樹と同化して鉱物の世界に浸る。楽しい。知識は少ないが、鉱物の世界は好き。骨董屋「山桜」の店主の桜石の話がよかった。2019/08/26
なつ
35
待望の続編。個性豊かな鉱石の知識と優しい物語に癒され、樹と雫の絆もより深まります。鉱石を通して樹が人間としてより成長していくのもいいですね。初めて名前を聞く鉱石が多くて、その度に画像を検索してより理解ができるの楽しい。エッセイも面白いけど写真はカラーじゃないと魅力が伝わりにくいのでは・・・2019/07/18