出版社内容情報
市内屈指の弱さを誇る少年サッカーの四年生チームはまだ今季1点も取れていない。練習に参加するパパたちはそれぞれの悩みを抱えていた。八組の家族の心のふれあいと成長を描く、胸打つ連作小説集。
内容説明
一番弱いのに、一番楽しくサッカーをやれる「牧原スワンズ」の四年生チーム。公式戦では一勝はおろか、まだ一点も取ったことがない市内屈指の弱さを誇っている。今年最後の公式戦となる市大会に挑む子どもたち。しかし、チームの活動を手伝う父親たちは、それぞれに悩みを抱えていた。八組の家族のありようとその成長を描き、すべての頑張るお父さんと子どもたちへあたたかなエールを贈る物語。
著者等紹介
本多孝好[ホンダタカヨシ]
1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。94年、「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞し、作家デビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
95
久しぶりの本多さん!地域最弱の少年サッカーチーム、スワンズのさらに歴代最弱の4年生チームの8人を、各章で親目線で描いていく連作短編て感じですね。うちも下の子がサッカーやってるので感情移入しまくりで最後は涙涙でした。俺もサッカーなんかまるっきり興味無さすぎて子どもの付き添いとか苦痛だったけど、やっぱり公式戦で点なんか取ると嬉しくなったりしたもんで、そんな事色々思い出しました。これもっと早く読みたかったなー。読む人選ぶ作品だけどこれはおすすめ!2021/08/29
いこ
94
小学生のサッカーチームの「牧原スワンズ」。監督やコーチはボランティアだし、方針は「怪我なくサッカーを楽しんで」の「市内最弱」チーム。その中でも「歴代最弱」の四年生チームの8人の子供達とその父親が主人公。それぞれの父親が家庭の問題を語りつつ、それと絡めながら子供達が徐々に成長していく姿を描く。どこの家庭にも悩みはあるものだが、この父親達は解決への道を見つけてしっかり進んでゆく。そして迎えた市大会、子供達にも変化が。最弱チームに奇跡は起こるのか?世の中の頑張っている全てのお父さんにエールを送りたくなる。 2020/05/02
TAKA
67
子供のためでなく親のために?いや、どちらのためということではなく、何のためとというのなら、時間のため。流れ去っていく時間は、どうにでも埋めることができる。どうにでも埋められるのなら、そういうもので、時間を埋めたい。老監督が弱小サッカーチームへのメッセージ。どこのおとうさんは苦戦してるんだよ。ここに登場するおとうさんは子煩悩だと思う。善戦してるいいお父さん達です。2021/07/07
hit4papa
61
弱小少年サッカーチームのメンバーと、その父親の物語。連作短編の形式で、主役を変えながら進みます。メンバーの名前がそれぞれの章のタイトルとなっていますが、父親にスポットがあたっています。勝つことより楽しくがモットーのサッカーチームに参加した家庭の事情は様々。子供の成長を頼もしく思う父親もいれば、満足にプレーできない息子にイライラがつのる父親もいます。良好な親子、壁のある親子、一触即発の親子など、自身の経験から、心情的にはどれも心当たりがありますね。それだけについつい涙腺を刺激されてしまうシーンがチラホラ。2023/07/21
Junichi Yamaguchi
41
『いい大人』… 親の心子知らず、子の心親知らず。 いくつかの家族の物語。 少年少年の未来は、当たり前に楽しみだが、大人達の未来もまだまだ楽しみだと思えた。。2019/06/23