内容説明
ファッション業界で働く紬の前に、長らく行方不明だった母親の文子が姿を現した。紬の部屋で暮らし始めた母は自身を「山姥になった」と言い、面影にもどこか違和感がある。困惑する紬は、同じく故郷を離れ東京で暮らす二人の姉に相談するが―。20代、30代、40代。それぞれの年代の三姉妹は、母との再会をきっかけに、自分自身を見つめ直すことになる。母と娘の絆を描く、心に染みるミステリー。
著者等紹介
谷瑞恵[タニミズエ]
三重県出身。三重大学卒業。『パラダイスルネッサンス』で1997年度ロマン大賞佳作を受賞し、デビュー。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベイマックス
45
なるほどね。想いはそのまま他人には届かないし、変に誤解されてしまうこともある。また、人は立場・場面などなど様々な要因で感情が揺れ動く。素直になったらうまくいくとも限らない。けど、この作品は、よき理解者の支えの元、三姉妹の修正がなせれていく流れがよかった。◎人間って、複雑なのか単純なのか…?2020/02/23
優希
39
山姥になった母親と3人姉妹の物語でした。それぞれの年代の姉妹が母とのきっかけを境に自分を見つめるようになるのに、優しさを感じます。母と子の絆が美しかったです。2024/01/14
ゆうき
22
行方不明だった母が山姥になって帰ってくる話。最初、なかなかページが進まなかったけど次第に謎が解けていき面白く読めました。3姉妹の名前はパッチワークから由来してると分かりちょっと感動しました。2019/11/25
香翠
19
母親って、なんて言うか、特別な存在。普段はあんまり仲良くなくても、何かあると思い出したり頼ったり。そして彼女のことは知っているようで、意外と知らないことも多いのかも。2021/12/13
よっち
14
田舎の生活を厭い東京に出てきてから故郷とは疎遠だったOLの小峰紬。そんな彼女の前に突然一年半前に失踪していた母親を名乗る女性が現れ戸惑いを覚える物語。顔も似ていて過去も知っているのにどうしても母とは思えない紬。母を連れてきた民俗学者柳川や疎遠だった二人の姉たちとのやりとりが地方出身者にはザクザク刺さる内容でしたが(苦笑)、深い思いを抱えつつも山姥になったと語る母の働きかけによって、三姉妹が過去のわだかまりや今の困難な状況を乗り越えて前に進むきっかけを得てゆく、感じるところの多かった優しく切ない物語でした。2019/04/19
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- 和書
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