出版社内容情報
一田 和樹[イチダ カズキ]
著・文・その他
内容説明
都内の高校に通う希美は、ロボットのような受け答えをする風変わりな同級生・佐野良子が気になって仕方ない。美人だが変人の彼女にちょっかいを出すうち、親しくなってゆく。良子は希美が持つパソコンに興味を抱き、部屋に入り浸るようになり―。インターネット黎明期、のちの天才ハッカーがいかに誕生したか、そして現代、彼女と次世代の天才の邂逅と活躍を描く、青春サイバーサスペンス。
著者等紹介
一田和樹[イチダカズキ]
東京生まれ。経営コンサルタント会社社長、IT企業の常務取締役などを歴任後、2006年に退任。09年1月より小説の執筆を始める。10年、長編サイバーセキュリティミステリ「檻の中の少女」で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、デビュー。サイバーミステリを中心に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポップノア♪@読書熱再燃中?
72
シリーズ3作目。ハッカー集団「ラスク」のリーダー·響子の学生時代と、彼女に憧れる高校生·鈴木沙穂梨の進路にスポットを当てた贅沢な内容でした。人との接触を極力避ける響子ですが、唯一心を許した友達·希美の存在が面白い。13年振りの再会も良かった。しかし、今回のメインは沙穂梨の意外な就職先。バグ脆弱性を指摘したことから人生が一変、アメリカの超大手IT企業·ゴーガイルの面接を受けることに。企業名は架空ですが、全てが規格外な描写にグー〇ルを連想せずにはいられません。そして2人の接点が重なった今、次回作も期待大です。2020/11/18
よっち
30
都内の高校に通う希美が出会った、ロボットのような受け答えをする風変わりな同級生・佐野良子。のちの天才ハッカーがいかに誕生したか、そして彼女と次世代の天才の邂逅と活躍を描く青春サイバーサスペンス。のちの天才ハッカー安部響子がどのようにして生まるまでの前日譚と、次世代の天才である女子高生・鈴木沙穂梨がどのように彼女と邂逅したのかが描かれる展開で、今回も貴重な知見がいくつもありましたが、安部響子が生まれるまでにはいくつもの貴重な出会いがあって、肇との出会いもそこまで用意周到に準備してたのかと感心しました(苦笑)2019/02/12
ひさか
11
2019年1月集英社文庫刊。書下ろし。シリーズ3作目。現在と過去が交互に語られ受け継がれるハッカーの技術と精神の話が興味深い。楽しめました。2019/09/08
おのちん
10
★★★★☆:意外に楽しめた一冊だった。所々になるほどと思える言葉がある。 人生には、楽しい、おもしろい、そういう感情がなければ生きている意味はない。 多様な選択肢は心を豊かにします。 中でも強く共感できたのは、「何か異常な事態が発生している可能性がある。しかも他に誰も気が付いていない。自分しか気づいていないこと。世界を変える力を持ったたったひとりのヒーローになったような気分になる。大抵は単なる勘違いなのだが」の一文だった。2022/03/11
ときわ
10
不覚にもこれが出ていたことを知らなかった!安部響子と鈴木沙穂梨のシリーズの3冊目。2003年から話が始まる安部響子誕生物語。あの事件後、鈴木沙穂梨の進路。わくわくしながら読んだ。まあ、ネットのあれこれはさっぱりなんだけど・・・。分からなくてもそれは背景ということで。第三部の「旅立ち」と「卒業」の章は感動した。肇が思い出せない安部との出会いを読者にだけ教えてくれて、一田さんありがとう。2020/03/01