出版社内容情報
北 杜夫[キタ モリオ]
著・文・その他
白石 一郎[シライシ イチロウ]
著・文・その他
遠藤 周作[エンドウ シュウサク]
著・文・その他
内容説明
「同世代と会うと、つい病気自慢大会になっちゃう」そんなお父さん。「風邪くらいで休めないのは私も同じよ!」とお母さん。「眠剤効かねえマジ病む」と娘さん。それぞれ事情もおありでしょうが、皆さんいったん落ち着いて、この本読んでみて。元医師による本格的な医療ものから、短編の名手による不条理ものまで、本当に面白いですから。えっ症状は良くならない?それは病院に行ってください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
486
医療に特化(中には?もあるが)したアンソロジー。しょっぱなに山本文緒さんを読めたのはラッキーだった。ほかにも気にはなっていた白石一郎、隆慶一郎の初読み。久坂部羊、渡辺淳一の医師免許持ちの作品もなかなかにリアルでグロテスク。馳さんの『長い夜』、初期の彼の作品を彷彿とさせる内容が楽しめる。これで820円は読み得だね。2022/02/19
いつでも母さん
163
集英社文庫編集部編のアンソロジー14作品。1949年『怪物』(三島由紀夫)から2011年『シリコン』(久坂部羊)まで、時代小説もある「患者」いろいろ。患者本人はもとより、取り巻く人間関係の妙を面白く怖く読んだ。好みは山本文緒さん、藤田宜永さん、遠藤周作さん、渡辺淳一さん。氷室さんのエッセイは身近に同じ様なタイプがいるのでよく分かる(笑)編集者・池田裕樹さん曰く「患者の事情など知らんもんね」その言葉が生々しく言い得てるアンソロジーだった。2022/04/10
KAZOO
129
集英社文庫の食にまつわるアンソロジーに引き続いて、患者という視点からのものです。合いも変わらず筒井さんのは快作という感じで笑いながら読んでしまいました。小松さんの「くだんのはは」はさまざまなアンソロジーに収められています。久坂部さんのはかなり女性の心を深層分析している気がしました。藤田さんの「特殊治療」は一種の怪談ですね。さまざまな味わいのある作品集でした。2019/06/07
ごみごみ
65
さまざまな事情を抱えた患者たちが繰り広げる14のアンソロジー。ブラックコメディ、ホラー、SF、時代小説と作者によって作風もさまざま。やっぱり怖いのは人間。しかもその多くは女性!「彼女の冷蔵庫」「シリコン」「共犯者」「薔薇連想」が印象に残った。2021/06/10
kei302
53
SFとかホラーっぽい作品が多くて、うわ~…でしたが、 冒頭の「彼女の冷蔵庫(山本文緒)」と時代物「包丁ざむらい(白石一郎)」の2つは爽やか系の終わり方で印象に残った。 文緒さまの作品は巧さが光る。泣けてきた。2022/03/08
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