出版社内容情報
名作短掌編を精選したアンソロジー「短編伝説」シリーズの掉尾を飾る一冊。今回のテーマは「別れ」。赤川次郎、浅田次郎、小川洋子、北方謙三ら錚々たるメンバーによる別離のドラマ。(解説/吉野仁)
野坂 昭如[ノサカアキユキ]
著・文・その他
原田 康子[ハラダヤスコ]
著・文・その他
氷室 冴子[ヒムロサエコ]
著・文・その他
小池 真理子[コイケマリコ]
著・文・その他
佐々木 譲[ササキジョウ]
著・文・その他
高橋 克彦[タカハシカツヒコ]
著・文・その他
北方 謙三[キタカタケンゾウ]
著・文・その他
志水 辰夫[シミズタツオ]
著・文・その他
浅田 次郎[アサダジロウ]
著・文・その他
篠田 節子[シノダセツコ]
著・文・その他
赤川 次郎[アカガワジロウ]
著・文・その他
小川 洋子[オガワヨウコ]
著・文・その他
山本 周五郎[ヤマモトシュウゴロウ]
著・文・その他
内容説明
少女の淡い恋心と、突然訪れる別れを描いた痛切なお話。別れるときの女性と男性それぞれの心理を、鮮やかに切り取った大人の恋愛物語。生き別れた父への複雑な感情と、忘れがたい思い出が綴られた作品…。「別れ」にまつわる味わい深い短編を精選したアンソロジー。別れはつらいもの。けれど別れを経験してこそ、出会いの喜びを強く感じられる。心が揺さぶられる作品に、きっと出会える13編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
105
短編伝説の4冊目で最新版は副題に「別れる理由」と書いているように、別れが主題となっています。13人の手練れがそれぞれ楽しませてくれます。私は結構再読が多いのですが(浅田次郎、高橋克彦、野坂昭如、山本周五郎など)、何度読んでも心にしみてきます。とくに浅田さんのは(角筈にて)いつもほろりとさせてくれます。いい本です。2018/09/06
キンモクセイ
55
たくさんの出会いがあれば、それと同じくらいたくさんのさよならがある。〝青いオウムと痩せた男の子〟昭和20年8月15日、オウムと男の子は防空壕の中にいた。ずっと待っていた。〝さびしい〟ふたりは別れを決意した。男からの電話で声を聞いただけで辛くなる。わかっているけど、さびしい。〝花嫁〟方代の故郷は鬼の伝説が多いと話したら本気で怒ってたな。それから方代が消えた。〝角筈にて〟いるはずがないのに、父の姿を探した。白いパナマに麻の背広。「おとうさん、ぼく誰にも負けなかったよ」リオに飛ばされても、それも悪くないかな。2021/04/28
そーいち
14
集英社編の短編小説集を読む。テーマは別れる。別れるといっても様々でシンプルな離婚ものや親子の別れだけでなく、ちょっとした中断での別れやホラーテイストでのおどろおどろしい別れまで千差万別。挙げられている作家の方々は流石の人選でどれをとっても面白い。個人的には氷室冴子さんのエッセイ風小説が楽しい。長電話の女性の内幕を描いている(今では考えられない)また小池真理子さんの「さみしい」はシンプルな別れ話ながら余韻が素晴らしい。浅田次郎。赤川次郎コンビもそれぞれが持ち味を出していて十分な読み心地だった。2022/10/05
ろこぽん
12
別れにもいろいろ。「離婚案内申し上げます」は最後にほろりとなりました。こんな風な仕返しなら旦那さんもうれしいのではないかな。 篠田節子さんの「内助」もおもしろい。「その木戸を通って」は読了してもずっと残る話。何があったのかめちゃくちゃな気になる。 青森の奥にはイタコ伝説とか、マタギ伝説とか不思議な話がたくさんあるので「花嫁」みたいな話も本当にありそう。終始どきどきしました。2024/01/28
ケニオミ
11
別れをテーマとした短編集です。別れと言っても、男女間だけの別れではありません。いろいろな意見はあるとは思いますが、僕にとって突出して出来がいいと思えたのは、浅田次郎の「角筈にて」でした。自分を捨てた父を思い、こだわり続ける中年男の話でした。この話を読めただけでも得をした気分になりました。2018/11/07