出版社内容情報
前年発表された短編時代小説から精選したアンソロジー。
中嶋隆、澤田瞳子、永井紗耶子、木下昌輝、天野純希、上田秀人、村木嵐、高橋直樹、簑輪諒、東郷隆の傑作10編を収録。(巻末エッセイ/縄田一男)
日本文藝家協会[ニホンブンゲイカキョウカイ]
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内容説明
2017年度発行の文芸誌に掲載された数多の歴史・時代小説の短編から自信をもっておすすめする10編を精選。気鋭の作家からベテラン勢まで、時代や舞台はさまざまなれど、圧倒的な筆力で紡がれる物語は、いずれも一所懸命に生きる人々の営みや思いを鮮烈に描き出し、感動を与えてくれる。読書の楽しさを再確認できる、いま読むべき作品を収めた絢爛たる年度版アンソロジー。オリジナル文庫。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark
23
アンソロジーは、お勧めの作品の集まりなので、どれをとっても面白く読めます。この中で印象的だったのは、関ケ原で暗躍した毛利家の安国寺恵瓊。吉川広家はなぜ南宮山から動かなかったのか、歴史のWhyについての仮説を提示してくれています。その結果以上に際どかった天下分け目の戦い。もう一度古戦場をゆっくりと歩いてみたくなりました。2023/05/03
サケ太
14
江戸時代、戦国時代の短編を集めた作品。叔母の心境に迫る『清経の妻』では、時代が移り変わり、立場が弱くなっている鳥居胖庵が出ているのが印象的。堀直虎という一万石の大名による生き方を描いた『夢想腹』。二大勢力に挟まれながらも、己の筋目を通した田丸家を描いた『筋目の関ヶ原』。知らなかった人物たちの一側面がお面白い。2018/07/18
かずお
3
★★★☆☆ 読んだことあるストーリーもかなり混ざっていた。 戦国時代から明治維新まで、幅広い短編集。2018/11/03
Panja Morimoto
1
家康を取り上げた作品多数。面白いんだけどこう武将ものが続くと個人的にはきつかった。2021/06/20
禿頭王
1
2017年に刊行された短編時代小説アンソロジー。各短編の冒頭に、作者自身が創意工夫や読みどころを解説する「作者のことば」が用意されています。短編の読みどころを読み飛ばさずに済む、上手い工夫だと思います。収録作としては、中嶋隆「子捨て乳母」、木下昌輝「怪僧恵瓊」、村木嵐「雲のあわい」、髙橋直樹「初陣・海ノ口」の4編が印象深かったです。2020/01/21