出版社内容情報
グローバル化し、価値観が多様化した今の社会で求められるのは、歴史や文化のまったく異なる相手に、物事を伝える能力だ。様々なアプローチで見つめた知的刺激に溢れた、まったく新しい日本&日本人論!
與那覇 潤[ヨナハジュン]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
nnpusnsn1945
55
文体は軽いが、内容は難しい。「日本人」と何か問い掛けているのだろうか。しかし国籍のあやふやさは伺えた。所々に挟まれる話はおもしろい。戦前の朝鮮・台湾人に選挙権が付与されたが、戦後に剥奪されている。決して植民地支配を肯定するものではないが、事実の複雑さが伺える。ウルトラマンと沖縄の繋がりも興味深い。蓮舫氏の国籍問題は筋違いな議論が多い所は卓見である。参考文献にあった東浩紀氏、小島毅氏の著作も読んでみたい。2021/07/26
ころこ
44
最近読んだ人文書で最も平易なので、興味はあるが読まず嫌いの人にはお勧めです。再帰性とは、現実→認識だけではなく、さらに現実→認識→現実とフィードバックしていく過程をいいます。この再帰的プロセスの中で、元々の立場から徐々にズレていき、再帰性それ自体が、再帰後の立場を正当化していく作用があることに近代の特徴はあるといいます。自己言及と同義なので、実は、人文系の分野ではお馴染みの考えです。ところが、本書ではこの再帰性を全面的に肯定してはいません。「メタヒストリー」という手法を使い、再帰性を解体してみることで、「2020/01/09
zoe
20
民族と国家と戦争トリガー。大学教養課程。日本人とは。何の縁?個人主義と集団主義。日本人は集団主義で、アメリカ人は個人主義と、本当に言えるのか?沖縄とウルトラマン。法律と憲法、国民と民族のように二つを組み合わせることによって、安定感が生じる。文明型は帝国主義に、選民型は排他主義に。グローバル人材と国家の品格。外部に評価を求めていないか?奈良京都史が日本史?国家の擬人化は正しいか?選択肢が多すぎてかえって不自由な世の中。自動車の安全と交通死亡者数。蓮舫とショーン・Kの問題は、本来何が問題なのか?2018/08/26
さとうしん
16
日本人は集団的であるとされている、そういう評価を真に受けて日本人が本当に集団主義的に振る舞いはじめるというような「再帰性」をキーワードとして見ていく日本人論だが、それと同時に哲学、社会学、歴史学、カルチュラル・スタディーズなど、人文科学系の諸分野の良い導入にもなっている。『中国化する日本』は発想の奇抜さの陰で綿密さを犠牲にしているが、こちらは堅実な論調になっているように思う。2018/06/06
M
13
著者は社会学の再帰性という概念を援用して、題にあるような私たちが普段自明だと見なしている社会的構造がいかに脆弱なものであるかを示唆する。人文社会学の思索とはこうした発想の転換に加え、私たちが自明としてきたものがいかに歴史の射程と系譜を考慮していないかを批判的に見るところから始まっているように思える。しかし、社会的構造は再帰性の概念だけで説明できるものではなく、特定の価値体系に裏付けられた循環の作用が働いているように思える。今の社会的文脈を自覚しながらも自明としないで、普遍的価値体系をより希求していきたい。2020/05/05
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