集英社文庫<br> 牛と土―福島、3・11その後。

個数:
電子版価格
¥649
  • 電子版あり

集英社文庫
牛と土―福島、3・11その後。

  • ウェブストアに24冊在庫がございます。(2025年05月12日 06時37分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087457070
  • NDC分類 645.3
  • Cコード C0195

出版社内容情報

東日本大震災で被曝地となった福島で、殺処分の指示を受け入れず、牛を生かそうとする牛飼いたちの静かな闘いに光を当てる。失ったものは何かを問いかける傑作ノンフィクション。(解説/小菅正夫)




眞並 恭介[シンナミキョウスケ]
著・文・その他

内容説明

東日本大震災、福島第一原発事故で被曝地となった福島。警戒区域内の家畜を殺処分するよう政府は指示を出した。しかし、自らの賠償金や慰謝料をつぎ込んでまで、被曝した牛たちの「生きる意味」を見出し、抗い続けた牛飼いたちがいた。牛たちの営みはやがて大地を癒していく―。そう信じた彼らの闘いに光を当てる、忘れてはならない真実の記録。第37回講談社ノンフィクション賞、第58回日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)受賞作。

目次

序章 安楽死という名の殺処分
第1章 警戒区域の牛たち―餓死でも安楽死でもなく
第2章 飯舘村の牛たち―人も牛も姿を消した
第3章 飛散した放射性物質―土と動物の被曝
第4章 放れ牛と牛飼いの挑戦―牧柵の内と外…牛の生と死
第5章 ふるさとを遠く離れて―牛の時間と人間の時間
第6章 牛が生きつづける意味―牛飼いを支援する研究者
第7章 被曝の大地に生きる―家畜と野生の狭間で
第8章 帰還困難域の牛たち―牛が守るふるさと
第9章 検問を越えて牛の国へ―牛が教えてくれたこと
終章 牛と大地の時間

著者等紹介

眞並恭介[シンナミキョウスケ]
1951年大阪府茨木市生まれ。北海道大学文学部卒業。ノンフィクション作家。2014年、『牛と土―福島、3.11その後。』で、第37回講談社ノンフィクション賞と第58回日本ジャーナリスト会議賞(JCJ賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

369
単行本の出版は2015年3月。震災と原発事故から4年後。これらを扱った本や報告は多いが、本書のユニークな点は牛にスポットを当てたこと。この地域には肉牛(乳牛を育てる酪農家もいるが、中心は肉牛)を生産(子牛を生ませて肥育農家に)する農家が多数あった。幸いにも震災そのものの被害はさほどでもなかったのだが、問題は原発の放射能である。人間もそうだが、地域で飼われていた牛たち、そして牛の飼料たる牧草はすべからく汚染することになったのである。牛とともに生きてきた人々の苦難は察するに余りある。みんな牛を心から大切に⇒2019/08/22

しいたけ

123
被曝した福島の牛飼いたちのノンフィクション。殺処分を命じた政府に従わず、牛に餌を届け続ける。感情だけではない。牛が生きる意味は、故郷を人の住む場所に蘇らせる道筋にも通じる。動物愛護団体の手出しが、多数の牛を殺してしまった例も載っていた。逃げ道として主張した被曝の研究対象であるという一文にも噛みつかれる。仕方ないではないか。原爆投下時の記録しか頼るものがなかった研究なのだ。運命は牛と共にあるとする男の考えは愛護では測れない。迷いつつ進む文が、終章で一転する。記録に徹した筆者から溢れ出た思い。土の香りがした。2018/03/03

kinkin

89
来年の3月で14年目。東日本大震災で壊滅的な状態と放射能汚染に福島の、ある土地、そこで牧畜をして生活していた災い。放射能汚染にあった牛を安楽死させろという指示が出た。それに対抗しなんとかして牛の安楽死をしないように奮闘する家族の物語。安楽死という言葉、いかにもな言葉だがそれを実行するまでの牛たちの抵抗、飼い主が丹精込めて育てた命を奪われる姿。仕方なく牛を牛舎から放すことをしても餌が不足する、怪我をして死んでゆく。母牛の横で死んだ仔牛、雌牛が処分される姿を見て涙を流す雄牛。命とは?考えさせられた。 2024/12/01

hatayan

42
原発の近くで飼われていたために、福島原発事故で被曝した牛たち。売り物にならない家畜を殺処分せよと指示する政府に抗って、心ある農家は牛を家族の一員として守り、被曝の証人として生かす道を選びます。人が住めなくなった大地で牛を放牧することで100年後でも自然環境が保てないか長期的な構想を描く研究者。牛を生かすことを頑として認めない政府。警戒区域の立ち入りを繰り返す中で、牛は食べた草から乳や肉を生み出す大地の恵みそのものであることに著者は気づきます。原発事故がもたらした、理屈では割り切れない感情を伝える一冊です。2020/03/25

James Hayashi

35
震災後、多くの牛が被災地に残され、餓死したものもいるが、国から出された指示は安楽死(その補償は無いという)。しかし一部畜産家は売り物にならないものを知りながら指示を無視し飼い続ける。牛も家族なのである。本作は畜産家の意見に聞く耳を持たず非常な指示を曲げずにいる政府に対し、極少数の畜産家が牛と共に歩む道を著者が被災地に入り探る。牛が食べる草は土が育て、死した牛は土に帰る。この循環に我々人間も含まれる。人間が作り出した原発から人間は逃げることができるが、土や動物は逃げる事を知らない。→2020/06/30

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12643619
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品