集英社文庫<br> 岳飛伝〈16〉戎旌の章

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集英社文庫
岳飛伝〈16〉戎旌の章

  • 北方 謙三【著】
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  • サイズ 文庫判/ページ数 400p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087456974
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

中華全土が戦場と化していた。南宋水軍が南の甘蔗園を狙っていることを察知した羅辰は象山の造船所に火を放つ。姑息な海陵王に激怒した梁山泊軍は奇襲をかけ大打撃を加えた──。(解説/山田裕樹)




北方 謙三[キタカタケンゾウ]
著・文・その他

内容説明

中華全土が戦場と化していた。沙門島沖では狄成と項充が、攻めてきた敵の海鰍船に忍び込み、船もろとも消失させた。一方、海陵王は刺客を使い胡土児の暗殺を企てていた。羅辰は、南宋水軍が南の甘蔗園を狙っていることを察知し、象山の造船所に火を放つ。梁山泊軍は、姑息な手を使う海陵王に激怒し奇襲をかけた。岳飛と秦容は、中原で死闘を繰り返している。一つの中華を目指す忠肝義胆の第十六巻。

著者等紹介

北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津生まれ。中央大学法学部卒業。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で第4回吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長編部門を、91年『破軍の星』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。また、2004年『楊家将』で第38回吉川英治文学賞を、06年『水滸伝』(全19巻)で第9回司馬遼太郎賞を、07年『独り群せず』で第1回舟橋聖一文学賞を受賞。10年に第13回日本ミステリー文学大賞を、11年『楊令伝』で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞し、13年に紫綬褒章を受章。16年、第64回菊池寛賞を受賞。17年、「大水滸伝」シリーズで第6回歴史時代作家クラブ賞特別功労賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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W-G

260
いよいよ風呂敷を畳みにきている感が強くなり、散ってゆく英傑も多数。水滸伝からここまで、文明や政治、そして戦争の近代化の縮図とも思える展開が多く見られ、今回の兀朮の最期の描かれ方なども、個の尊厳ある死から、無個性の大量殺戮へと変容していった闘争の暗喩という捉え方も出来る。しかし、一読者として、物足りなさを感じたのも間違いない事実。王清と面白キャラ梁紅玉もついに再会を果たすが、残り頁数から推測するに、これ以上何も起きることはなさそう。なにはともあれ、あと一巻。白熱の最終章であることを祈る。2022/04/06

しんごろ

161
死に場所を求める者。いわゆる現代でいう終活ということなのか。狄成、項充が海鰍船に忍び込み暴れ回る。羅辰、おまえもか。象山で暴れ回る。岳飛と秦容の連合軍も激しい戦闘。もうそこにはプライドもへったくれもない戦闘が…。そして梁山泊と金国の戦闘が激しくてすごすぎる。姿を眩まし、どこからともなく風となって、赤い軍団が勝負を決めに行く。どうか生きてておくれ。おまえが死に場所を求めていても、おまえには生きてほしい。中華全土が戦場。殉死者の続出。そんな中、王清には、どうか戦いとは無関係で幸せに生きてほしいと思う。2022/03/23

眠る山猫屋

58
死に場所を求めて英傑たちが散っていく。南の密林で東の海で、そして大陸のど真ん中で。 北の果てでは胡土児が蒙古の向こう側へ行っちゃいそうだし…。ウジュや七星鞭だけでなく、岳飛や秦容も戦いの有り様・行く末にやりきれなさを感じつつも、決着を着けねばならなくなっている。夢が夢で終わる時代の善し悪しを身に染みこませるようにして。 この巻では、王清と昔好きだった女との再会シーン、グッときた。 でも九紋竜・史進!!最後の最期にっ!2020/06/04

sin

54
南宋将軍・程雲の大軍を擁する正規軍とは思えぬ姿を見せぬ戦法が岳飛を絞りあげるが、岳飛も奇襲で程雲を捉え惜しくも討ち漏らす。程雲の将校・石信の急襲に七星鎮を獲られた岳飛は秦容と連携して臨安府を目指すが闘いは膠着しやがて撤収に至り、岳飛の策が再び程雲を捉える。一方梁山泊軍と対峙する金の帝・海陵王は逸る臣下の尻馬に乗って先走り金軍総帥・丌朮の不興を買い禁軍を解体され自身も臣下と共に晒されてしまう。そして邪魔者がいなくなった丌朮と呼延凌の戦場に衝撃がはしる。戦場は遊び場ではないと史進の一撃が語るかのようだ。2022/12/27

ポチ

49
大軍同士の激しい戦いが続く。漢達が次々と去っていく。史進よ、まだ早いぞ!次が最終巻、このまま行こう。出来れば秦容と岳飛の連合軍での戦いを見たいが。2022/05/21

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