出版社内容情報
大学生の凪は恋人の霧香と小さな珈琲店・ブラックスノウを訪れる。サイバーセキュリティに精通したマスターとの交流の中で二人は様々なサイバー犯罪を知るが……。現代のリアルを描くサスペンス小説。
内容説明
大学生の凪は、同級生の不思議な美少女・霧香と付き合い始めたばかり。ある日ふたりは路地裏の珈琲店ブラックスノウを訪れる。店のマスターは、実はサイバーセキュリティに精通した人物だった。店を手伝うことになった凪は霧香とともに様々なサイバー犯罪に触れてゆく。一方、マスターを恨む美青年・凌が大規模な犯罪を企てていて…。過去の小さな因縁が世界を揺るがすサイバーサスペンス。
著者等紹介
一田和樹[イチダカズキ]
東京生まれ。経営コンサルタント会社社長、IT企業の常務取締役などを歴任後、2006年に退任。09年1月より小説の執筆を始める。10年、長編サイバーセキュリティミステリ「檻の中の少女」で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞し、デビュー。サイバーミステリを中心に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポップノア♪@読書熱再燃中?
70
池袋の片隅にある喫茶店「ブラックスノウ」を訪れる大学生美男美女カップルの凪と霧香。霧香の軽はずみな行動をITに精通するマスター⋅加山が見抜いたことから奇妙な縁が生まれる。監視アプリ、遠隔操作、ランサムウェア等、昨今聞き慣れた言葉から、水飲み場型攻撃、ドライブバイダウンロードと言ったお初な単語迄、サイバー感満載で非常に楽しめた。草食系でITには疎い凪と、片時もタブレット端末を放さない好奇心旺盛な霧香のキャラも良い。犯人が二転三転する予想外の結末にはまんまと騙されたよ。伏線が多いと確認が大変なんだよねー(笑)2021/09/13
よっち
34
同級生の不思議美少女・霧香と付き合い始めたばかりの大学生の凪が訪れた路地裏の珈琲店ブラックスノウ。店を手伝うことになった凪が霧香とともに様々なサイバー犯罪に触れてゆくサイバーサスペンス。凪たちが店に通う過程で明らかになってゆく実はサイバーセキュリティに精通しているマスターと、その彼を恨み大規模な犯罪を企む美青年・凌の因縁。最初に存在が示唆されてたびたび登場する凌と通じる内通者Aの正体が気になっていましたが、丁寧に展開を積み重ねていった末の少しばかりほろ苦い結末に、著者さんらしさがよく出ていたと思いました。2017/11/28
那由多
23
大学生カップルが立ち寄った喫茶店にはITに詳しいマスターが居て、二人は通ううちにサイバー犯罪に巻き込まれていく。内通者Aの正体は分かり易い。しかし痴話喧嘩って。巻き込まれた方は人生ひっくり返るくらいの結果になって、更に泥沼の三つ巴戦になっちゃってる。愛とは執着なのか。2021/11/17
桜みゅ
4
内通者Aが誰かと探りながら読んでいた。最初に出てくる「スマホ安全チェック」はWebですぐできるなら、誰でもやって見ようと思っちゃうよね‥。自分はiPhoneだけど、ウイルス駆除ソフトにさえ今自分が使っている端末を晒すのはどうなんだと考えてもしまうし、でも今更だし、、とかぐるぐる考えていた。改めてスマホもだけどPCを気をつけなきゃと思う。一田さんの小説を読んでると、もう今更かと思ってしまうこともしばしばだけど。サイバー系のミステリーは読んでいて一番ワクワクする。2021/03/21
旅本 泉
3
本の裏表紙にもサイバーミステリとあり、少し舐めて掛かってたら、しっかりとした本格ミステリでした。さすが福ミス受賞者。 冒頭は短編物となっており、分かりやすくセキュリティの大切さを説いている一方、後半はガチガチのミステリでした。2019/03/07