出版社内容情報
女髪結いとして生計を立てる卯野。友人の花絵が「恋を叶える髪結い」という噂を流してくれ、客も増えてきた中、同じ長屋の娘が父親に殴られているのを見てしまい……。書き下ろし時代小説第2弾。
内容説明
髪結いとして生計を立てようと奮闘中の卯野。武家出身でなんの伝手もない彼女のために、友人で商家の娘の花絵は「卯野に髪を結ってもらうと恋が叶う」という噂を流すと言いだす。その甲斐もあってか、様々な客が卯野に仕事を依頼し始め…。髪を結いながら、年齢も境遇もそれぞれ違う女たちの人生と恋に触れ、卯野が成長してゆく姿を描く書き下ろし時代小説。表題作の他、二編を収録。
著者等紹介
倉本由布[クラモトユウ]
1967年6月14日生まれ。静岡県浜松市出身。共立女子大学文芸学部卒業。浜松市立高等学校在学中の84年「サマーグリーン―夏の終わりに」で第3回コバルトノベル大賞に佳作入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
50
面白かったです。髪結いで生計を立てようとする卯野の商売気質を見たようでした。「卯野に髪を結ってもらうと恋が叶う」と噂を流した友人も彼女を応援していたのでしょうね。卯野のもとに訪れる様々な女性たちの人生と恋に触れながら成長していくのが素敵だなと思いました。恋という儚い夢に関われることって幸せなのではないですか?2023/01/22
tomtom
13
読んでいると髪結いがこんなにもわくわくするものなんだと思えてくる。髪結いもそれなりに修行があるものかと思っていたから、すでに独り立ちしていたのは驚いた。2023/05/19
綾乃
12
シリーズ2冊目。 武家の娘だったが兄の切腹により町人となり、髪結を始めた卯野だったが友人の花絵により「恋が叶う女髪結」の噂を広められ、初めは戸惑うも噂を聞きつけた客の恋を叶えるため真摯に向き合う卯野。 必ずしも思うように恋が叶うことはなかったが、それでも終始暖かな思いが伝わってくる物語だった。 卯野のまわりの人間関係が複雑で、今後の物語にどう関係していくのか気になるところだが、同時に「恋が叶う女髪結」としての卯野の成長も楽しみである。2021/09/23
シュウ
6
思う様にいかなくても、1つ1つ丁寧にやっていくことで掴んでいけるものもある。2021/08/04
浮草
6
第2巻。恋が叶う髪結屋を謳うだけに、恋の話の傍観者となる。身勝手な恋、三十年かけて叶える恋など。ちょっと関係者が近すぎるし、未婚の母も多い。江戸ってそんななのかしら?2020/11/20