出版社内容情報
進学校の寮で起きた謎の転落死! 単なる事故か、それとも殺人か。寮に伝わる言い伝えと事件の真相に学生探偵団が迫る。70年代の函館を舞台に繰り広げられる青春学園ミステリー。(解説/関口苑生)
内容説明
1971年春、函館にある憧れの私立高校に入った僕は、親元を離れ寮生活を始める。街の景色、同級生、音楽、出会うもの全てが刺激的で、期待に胸を膨らませていたが、入学早々、「寮の恒例行事“入魂会”に関わったものは死ぬ」という噂を耳にした。するとそのわずか二日後、寮の二年生が謎の転落死を遂げる。事件と噂の真相を探るため、僕たち一年生は探偵団を結成して―。青春学園ミステリー。
著者等紹介
今野敏[コンノビン]
1955年北海道生まれ。上智大学文学部在学中の78年に「怪物が街にやってくる」で第4回問題小説新人賞、2006年『隠蔽捜査』で第27回吉川英治文学新人賞、08年『果断 隠蔽捜査2』で第21回山本周五郎賞と第61回日本推理作家協会賞、17年「隠蔽捜査」シリーズで第2回吉川英治文庫賞を受賞。SF、伝奇アクション、ミステリなど幅広い分野で活躍。空手道「今野塾」を主宰する武道家でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
130
函館の男子高校の寮で事件が起きたゆるいミステリー⁉なのかな。1971年の舞台なんですが、うーん、あまり昭和っぽさがなく現代っぽい感じがしましたね。かろうじて学生運動をちょっと散りばめて、音楽によって、この時代背景を補ったという印象で、この時代背景を知りたかっただけに残念でした。ただ寮生活、男子高校生の異性に対する会話は楽しめましたし、文通は懐かしく、俺も昔したよと感慨深いものはありました。事件も高校の寮が舞台だけに円満?に解決という感じでして、サクッと読めますが、何か物足りなさを感じました(^^;)2017/08/05
Aya Murakami
127
ナツイチ 2017 入学先の寮で起きた殺人事件がテーマの青春(?)ミステリー。今でもミステリーの世界では警察は信用されない傾向がありますが、こちらの小説では1971年ということで学生運動の影響のため権力に対する不信がベースに…。学生運動にしろメディアの警察官不祥事アンド隠蔽事件にしろいつの時代も役人って信用薄いのは変わらないというのは面白い構図です。 作中に若い人という映画が出てきましたが小説が原作の模様。読みたい小説見たい映画が増えてしまった。2020/11/15
扉のこちら側
76
2018年152冊め。私立高校の寮での墜落死事件の真相を巡る話。事故か自殺か他殺かというミステリ要素はあるものの、全体の印象としては70年代の青春小説である。公衆電話の呼び出し、文通、喫茶店への立ち入りは禁止だがフルーツパーラーはOK等々。60年代の高校生とはまた違う雰囲気なので、70年代が舞台の小説を他にも読んでみたい。2018/05/19
NAO
52
1971年、函館にあるその男子校寮で起きた事件の真相を探るミステリ。入学直後まだ浮わついている新入生の気を引き締める目的の入魂会にまつわる伝説は、本当なのか。自分の家ともいえる寮で起きた事件なのだからその真相を知りたいというちょっと青臭い少年たちの言動が初々しい、軽めの話だった。 2023/02/27
カブ
50
函館の私立高校の寮で二年生が転落死する。事故?自殺?殺人?寮生は真相を探る。子どもでもなく、大人でもない中途半端な年代の高校生が懐かしい。ミステリーというより、青春小説という感じ。2017/10/03