出版社内容情報
古典の魅力をつねに支えと癒しにしてきた暮らしと、生活の細部を愛しみ、毎日を真剣に丁寧に過す、そのしなやかな生き方を語る──人生の極意にみちた宝石箱のようなエッセイ集。(解説/吉沢久子)
清川 妙[キヨカワタエ]
内容説明
『徒然草』で、生きている幸福をかみしめ、楽しく充実して生きろと教えてくれた兼好法師。娘時代から波長の合う『枕草子』の清少納言など、古典を友とする暮らしの豊かさ。心に響いた映画や草花に感じる自然のこと。人生の途上に、道しるべとなった本や師や友。心に刻まれ、生きる杖となった言葉たち。生活の細部を愛おしみ、毎日を真剣に丁寧に生きた著者の勁くしなやかな生き方エッセイ集。
目次
第1章 古典を親友に―言葉の森にあそぶ(なかよし古典;挽歌;相聞 ほか)
第2章 ひとりは愉しい―「ポジティブ」の極意(孤独はよき友;英会話レッスン継続中;ポジティブ思考はくせになる ほか)
第3章 ていねいに生きる―年を重ねる楽しみ(枕詞は楽しい;冬の小鳥;山茶花の家 ほか)
著者等紹介
清川妙[キヨカワタエ]
1921年、山口県生まれ。奈良女子高等師範学校文科卒業。教職を経て、文筆活動に入る。古典評論、映画解説、生き方エッセイ、手紙など、多岐にわたるテーマでの執筆や、講座、講演で活躍。2014年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
patapon
5
「いつも機嫌のいい自分でありたいと思っています」 女学生のような初々しさ、配偶者を送ってから一人で生活し、仕事をし続けてきた逞しさ、90歳を過ぎても文筆業や講演を行う柔らかさ。「お福分け」というタイトルに惹かれて手に取りましたが、とても素敵な女性と知り合うことができて嬉しい。惜しむらくはすでに他界なさっていることですが、たくさんの著作があるようなので、これから読み進めていきたいと思う。2017/02/10
たまご
3
妙さんに、お会いしたかったなぁ。妙さんが兼好さんに話しかけたように私はこの本を読み終えて妙さんに語りかけていました。きっとそちらでも楽しくパワフルに過ごされている事かと思います。まだまだ妙さんのお福分けしてくださった文章を読めていませんので、これから少しずつ読んで会話を楽しませていただきますね。日本では桜がピークのようです。香りがそこまで届きますように。
ワタル
2
文が美しい……。一文一文が短くて、体言止めが多い。うだうだと言葉を連ねたりせず、ぱっと言い切ってしまう強さがある。何気ない日常を宝物のように受け止めようという気概が感じ取れて、読んでいて幸せを感じる文章である。亡くなられる数年前の文章だが、自分の状態を受け止めつつ、冴えた文章を書いておられて、こんな終わりかたができたらいいなあと思った。2019/07/01
どん
1
古典はよく分からないけど92歳になってもこんなにイキイキと暮らしていけるものなんだと希望が湧いた。 歳をとっても海外旅行に行ける元気があることや認知症にならずに一人暮らしできるんだとか、とにかく50年後の自分でも楽しく暮らせる気がして心強い。 ここまで丁寧な生活はできないけど、これぐらい日々いろいろなことに気づいて生きていきたい2022/04/01
あおい
1
妙さんが古典から得た世界観を教えてくれると日本人の情緒性が私でもよくくみとれる、まさにお福分け。別本で全訳の兼好さんを読んでいたのだけれど、妙さんと同じところで”おやっ”と思ってた~妙さんの兼好さんも読もうっと。。。2021/02/19