出版社内容情報
呪いのルビー、ニセモノの化石、大型模型の中に隠された植物標本……博物館には謎がいっぱい! 変人博物学者・箕作と女性分類学者・環のコンビが活躍する「博物館ミステリー」誕生!(解説/吉田伸子)
伊与原 新[イヨハラシン]
内容説明
自然史博物館で働くことになった女性新人分類学者・池之端環。植物標本の整理を命じられ、未整理の標本や資料が大量に詰め込まれた旧館「赤煉瓦」に足を踏み入れた環が出会ったのは、そこに棲みつくファントムこと変人博物学者の箕作類。「どんなものも絶対に捨ててはならない」が口癖の箕作と、片付け魔の環のでこぼこコンビが、博物館で起こるさまざまな事件の解決に動き出す!
著者等紹介
伊与原新[イヨハラシン]
1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。専門は地球惑星物理学。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
262
科学蘊蓄な事件に巻き込まれ型の短篇全6話。伊与原さんの真骨頂ですよね( ¨̮ )。『死神に愛された甲虫』はJ・B・S・ホールデン(生物学者)かなぁ〜と思ったら、J・B・S・ホールデンのエピソード出てきた( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)。死神では無いけどね。研究者顔負けの各種標本蒐集家はいますね。中でもアマチュア昆虫標本蒐集家は層が厚そうな気がするよ。その第一人者がキーパーソンになるのですが、そういう人は子供相手でもムキになる位が丁度良いし、少年時代の想い出として大人扱いされた気になって嬉しいってのが良いな。2023/10/18
しんたろー
105
表紙がラノベ風なので「う~ん?」と思ったが直木賞受賞で乗っている伊予原さんなので購入。博物館で働く分類学者・環と博物学者・箕作のコンビが、館内で起こった事件を解く短編集は、鉱物、植物、化石など専門的な知識を判り易く絡めて「蘊蓄ミステリ」とでも言うような内容。殆どの学名は飛ばし読みだったが(苦笑)、環と箕作が徐々に理解し合ってゆく関係性が良いアクセントになっていた。他作品に比べると薄味に感じたが、理系知識をドラマに仕立てる著者らしさは味わえた。『ベラドンナの沈黙』『異人類たちの子守唄』の2作がお気に入り💕2025/02/13
papako
64
なんだか気になって。いわゆる薀蓄系謎解きものですが、これは好みでした。博物知識と謎のバランスがいいからかなぁ。『ベラドンナの沈黙』『送りオオカミ〜』『死神に〜』がよかった。作者の『ルカの方舟』を読んでいたので、ミツクリさんが意外に普通の性格で拍子抜けでしたが、タマキとの対比でいいコンビでした。他の作品も機会があれば読みたいです。2017/01/23
スズ
53
国立自然史博物館で働くことになった池之端環が、旧館に住み着く博物学者箕作類と出会い、様々な事件に巻き込まれていく物語。片付け魔の環と、散らかし魔の箕作の言い合い(いつも箕作にスルーされますが)が良かった。鉱物・植物・剥製・化石・昆虫標本・骨など自然史に関係する展示品に関連した事件やそれらについての豆知識が面白かった。博物館の所蔵品は膨大で、私達が展示室で見ている物はそれのほんのごく一部にすぎないことが分かった。しかしながら、博物館のようなアホみたいな倍率を潜り抜けないといけない職場で働けるなんて羨ましい!2016/09/19
涼
45
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2025/02/post-4cc5b3.html これまで読んできた著者の本とは、何となくイメージが違いました。 この簑作という学者の年齢も解りづらいし(これはたぶんに名前のせい?)、単なる変人としか感じられなかったです。2025/02/21