集英社文庫
女と味噌汁 (改訂新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 259p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087454260
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「はなのや」の芸者、千佳子。彼女に舞い込む様々な人間模様をさりげない料理の腕で解決する姿を通し、昭和30年?40年代の女性の生き様が映し出される。活字を大きくした新装版。(解説/伊藤昌輝)

内容説明

舞台は昭和40年頃、東京・新宿に近い花柳界、弁天池。芸者のてまりこと千佳子には、なぜだか次々と、厄介なもめごとが降りかかる。浮気や嫁姑問題、後輩芸者の恋愛騒動…。料理の腕も活かしながら、千佳子はそれらを解決していく。一方で、自慢の味噌汁を売る夢も抱く。気丈に生きていく彼女だが、幸せな結婚にも憧れて…。現代にも通じる、女の生き様を颯爽と描いた平岩文学の傑作。文字が大きい新装版で登場!

著者等紹介

平岩弓枝[ヒライワユミエ]
1932年3月15日東京生まれ。日本女子大学国文科卒業。戸川幸夫に師事し、58年長谷川伸主宰の新鷹会に入会。59年『大衆文芸』に発表した「鏨師」で第41回直木賞受賞。91年『花影の花』で第25回吉川英治文学賞受賞。98年第46回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

machi☺︎︎゛

65
昭和の女の生き様を描くと帯にあったけど、そんなに古い感じはなく読みやすかった。芸者の千佳子が厄介な揉め事を人情味あふれる方法で解決していく。千佳子の事をお姉さんて慕う小桃ちゃんが可愛かった(*ノ∀︎ノ)2018/09/26

メルル

28
とても好きな物語。芸者の千佳子が自分の生き方を貫こうというしている姿勢が素敵。料理上手で凛とした雰囲気。そんな素敵な女性なのに女としての幸せをつかもうとすると芸者という立場が難しくさせる。味噌汁は人の心を穏やかで温かい気持ちにしてくれる。やっぱり料理は男心をつかむのか。2016/05/09

白雪ちょこ

18
初の作者さん。 戦後の日本が舞台となっており、驚いたのはお給料やはがき代の安さ。 切なさが漂う中、親子代々芸者として働いている千佳子さんの、真のまっすぐさに心惹かれた。 働いている男の人に、美味しいご飯、美味しいお味噌汁を飲ませてあげたいという、大和撫子の思いと精神。 今の日本の女性は、大和撫子精神がかなり減っている傾向なので、千佳子さんのような、優しさと思いやりの強さを持っている女性が増えてほしいと思う。 小悪魔的な小桃ちゃんも可愛らしい。 女性の幸せとは何か、そういった問いが美しく描かれていた。2024/08/10

ベーグルグル (感想、本登録のみ)

12
1979年初版の本なので少し時代背景が古いですが芸者の千佳子が自分の職に誇りを持ち、自分の夢を叶えていく姿が素敵でした。芸者といえば色眼鏡で見られるし、女一人で生きるには辛い時代だったのではと思う。一杯の味噌汁がホッと心を和ませてくれる物語でした。2016/06/22

hitotak

10
昭和40~50年代の東芝日曜劇場で放送されたドラマの原作。三流どころの花柳界で芸者としてお座敷に出る傍ら、ライトバンを改造した味噌汁の屋台を出す千佳子と、社用族の客や置屋の女将、後輩芸者、かつての同級生達との物語の連作集。芸者があからさまに下に見られ、縁談が壊れたり蔑まれたりするが、千佳子は料理上手で気も優しく、将来は小料理屋を持つ夢もある。男をはじめて自宅に泊める時、敢えて男物の寝間着は用意せず、死んだ母の女物の浴衣を「これしかないけど使ってくれる?」と出すと男が喜ぶ、というテクニックには時代を感じた。2024/10/06

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