出版社内容情報
芸妓娼妓を斡旋する「紹介業」を営む富田岩伍の独特の語りで描く大正末年?昭和十年代の遊郭の世界。2014年に逝去した著者の名作が、活字が大きく読みやすくなった改訂新版で登場。(解説/篠田一士)
内容説明
大正末年から昭和十年代の激動期。詐欺師や博奕打ち、やくざ者を相手に身体を張って生き抜く遊郭の女たちの忘れえぬ肖像と、生き馬の目を抜く世界での己の苛烈な生きざまを、岩伍の独特の語りを通して綴る宮尾文学の名作。文字が大きく読みやすい、新版登場。
著者等紹介
宮尾登美子[ミヤオトミコ]
1926年4月13日高知県生まれ。高知市高坂高女卒。62年「連」で第5回婦人公論女流新人賞受賞以後、『櫂』で太宰治賞、『寒椿』で女流文学賞、『一絃の琴』で直木賞を受賞。2014年12月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まあちゃん
15
櫂、春燈、朱夏。養母、作者自身の私小説に続き、父親岩伍の話を読んでみた。岩伍目線でも、美しい語りは変わらない。三日月次郎の話は、なにやら不思議な始まりで、終始先が気になった。三日月次郎との対決は、ハラハラのし通しだった。宮尾さんは、すごい方の子供だったんだな。歴史を残すために、生まれてきたに違いない。宮尾さんの語り口、本当に美しい。2021/08/01
たつや
4
宮尾登美子の「櫂」シリーズのスピンオフ的作品として、楽しめた。富田岩伍が主人公であり、富田岩伍の一人称で、大正末期から昭和にかけて、約四十年営まれた芸姑紹介業の一部始終を語る四つの連作短編集ですが、高知弁も含め、宮尾ワールドに浸ると、心地良く読める。大変面白い本でした。2025/04/07
くろちゃん
0
人は金に支配され続ける運命だと読んでいて感じました。2017/03/22
Ms.Gordon
0
2003-20042008/02/25
あや
0
岩伍の覚え書なので本当にあったことが書かれていると思えば尚更興味深い話ばかり。2024/05/16