出版社内容情報
父の入院と彼との別れをきっかけに東京から香川に戻った恵里子。地元で暮らす決心をした彼女は、ひょんなことから地元商店街復興に関わることに。家族、仕事、恋に揺れ動く30代女性を描く長編小説。
内容説明
瀬戸内の城下町“さぬき亀山市”。かつては大勢の客で賑わった亀山商店街だったが、今ではわずかに数店舗が開いているだけの寂しいシャッター通り。東京からドロップアウトして戻ってきた果物屋の一人娘、英里子はその光景を目にして商店街の復興を決意するが―。芸術家の道風、左遷中の銀行マンの田嶋ら、個性豊かな面々と力を合わせて地元のために奮闘する、アラフォー女性の町おこし小説。
著者等紹介
広谷鏡子[ヒロタニキョウコ]
1960年香川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、NHKに入局。95年「不随の家」で第19回すばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
195
田舎に戻った女性が町おこしに一役買う話。終わり方が自分的には納得してないが…。普通に面白い。人と人の繋がりは大事だよね。この物語を読んだら香川県、いや四国に旅行したくなるね。BGMには鈴木祥子の『Candy Apple Red』がいいかも(笑)。2016/02/12
相田うえお
161
★★☆☆☆17046 彼氏との破局や父親の病いが重なり、東京の職場を辞めて親元に戻った主人公の女性。母親も気力を失ってしまい、稼業の果物屋を開けることが出来なくなってしまった。店の再開を考える主人公だか商店街そのものも廃れていたため、商店街の人々とシャッター通りと化した街の復興を目指して様々な方法で奮闘し、最後にはフルーツ店を再オープンさせる。みたいな話なんですが、当方には話の展開が遅く感じられ、だらけてしまいました。もう少しだけトントン拍子に話が流れる方が好みですね。話ネタとしては好きですね。2017/05/07
おしゃべりメガネ
133
恋人も職も見事?に失ったアラフォー女子「英里子」は父親の闘病生活開始を機に故郷へ戻るコトに。実家に戻り、地元の人々と関わるうちに彼女の中で『地元愛』の炎が少しずつ、そしてゆっくりと燃え上がります。アラフォー女子の苦悩や地元民との確執がこれでもかというくらい、しっかりと描写されています。すっかり元気のなくなってしまった地元アーケード商店街復興にむけて、日々奮闘する姿がたくましいです。有川さんの『県庁おもてなし課』とはまたひと味違った雰囲気の地域再生物語です。しかし、どうしてか最後まで主人公にハマれなかった。2020/04/15
扉のこちら側
109
2016年573冊め。恋人に振られた40歳女性が親の病気により故郷に帰り、シャッター通りとなった商店街の町おこしに取り組む話。三国志に例えているように、仲間が増えていく展開はうますぎるけれど、高飛車だった彼女が子どもの頃のように地域にまた戻っていく様子には好感が持てる。名物の「骨付鶏」とやらがおいしそうだ。2016/07/18
みかん🍊
107
故郷のシャッター通りになってしまった商店街の町興し小説、そんな上手くいく訳ないというのは置いておいてやっぱりこういうのは読んでいて元気が出る、寂れた商店街がみんなのアイデアや行動でだんだん活性化していく「公助を求める前に自助、そして共助を。」やはり地元の人間が動かないと先はない。亀山(多分丸亀)へ行ってみたくなりました。英里子は仕事を辞めて店も閉めていていったいどうやって生活していたのかな、骨付鶏はとても美味しそうでした手羽先とは違うのかなと疑問もわきました。2016/07/01