出版社内容情報
野球選手としての不安と自信と孤独……東京六大学野球を舞台に、甲子園後の選手たちの人生とその選択や葛藤などを切なく、熱く、見事に描ききった連作青春小説集。(解説/大越健介)
内容説明
東京六大学野球。野球が何よりも好きで、一心に打ち込んできた学生たち最後の舞台。甲子園の優勝ピッチャー・星隼人が選んだのは早稲田大学野球部だった。彼が四年生の秋、東大の補欠選手、法政のマネージャー、明治の就活生、ミス立教を目指す女子学生、慶應の野球部員の母親、それぞれの人生が交錯する―。野球に関わる人たちの選択や葛藤、不安などを見事に描いたリアルで切ない青春小説!
著者等紹介
早見和真[ハヤミカズマサ]
1977年、神奈川県生まれ。大学在学中より雑誌その他媒体にて執筆するなど、ライターとして活躍。2008年『ひゃくはち』で小説家デビュー。同作は映画化、コミック化され一躍ベストセラーとなる。15年『イノセント・デイズ』にて、第68回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
102
2016年615冊め。東京六大学野球を主題にした連作短編。選手だったりマネジャーだったり選手の彼女だったりと語り手は変わるのだけれど、6大学それぞれの雰囲気が伝わってくる。おもしろかったのは就活の話と、各章の末尾でスポーツ新聞記事を模した構成でネタの補完がされているところ。銀縁くんの背負っているものは最後で明らかになり、決して潰れなかった彼の今後の活躍に期待。2016/07/31
りゅう☆
99
銀縁くんこと早稲田エース星隼人を軸に動く6大学野球部物語。一度は捨てた野球だが唯一国立の東大に入り夢の実現をひたすら信じたり、法政大のマネージャーに指名され誇りを持って仲間を思ったり、神童と呼ばれ不本意ながら明治大に進み就活難に喘ぐも前へ進めたり、本当は目立たない存在なのに立教大ミスコンの舞台に挑んだり、慶應への希望と野球への偏見を息子に押し付け悩み続けたり。苦しみ悩みもがくも、何かを信じ続けることで感動に変える。友人の死に縛られ続けた隼人。早稲田で描いた野球とは?乗り越えた彼の笑みに清々しさを感じた。→2017/02/15
kinupon
82
いよいよ来週から6大学野球も春のリーグ戦開幕です。ここに出てくる主人公たちも心を弾ませながら活躍をしていくことだと思います。神宮フリークとしてはこの目で東大の優勝を見てみたい^^。2016/03/30
Yosshiy
60
また素敵な作品と出会えたと思えた一冊。早見さんの野球小説は本当に面白い。しかしこの作品は野球小説でありながら、肝心の対戦シーンなどは全くありません。東京六大学野球で活躍する選手やその周りの人達の苦悩や葛藤、そして個人の決断や成長等、6人(6編)の人間模様を記した素敵な連作小説。感動的でもあったり、勝手にその先を想像して応援したい気分に浸ったり、読み終えるのが惜しくてたまらず、ストーリーにどっぷりと入り込んでしまったぁ〜♬野球好きな人も、野球がわからなくても楽しめると思う♬オススメ2019/02/02
TAKA
55
早見作品5作目。これも面白かった。東京六大学野球からなる連作。西宮吾郎の葛藤。星の孤独。山田紀子の息子との確執。それぞれの章にドラマがありすべて神宮の森に繋がる。高校生には甲子園。大学生には神宮。一人ひとりが主役である。脇役はお前の方。万年補欠の選手が最後に出場ができたのに三回に股間にボール受けて退場とは-w2019/01/22