出版社内容情報
ダントン、デムーランらの処刑後、公安委員会が分裂。逮捕されたロベスピエールが、ついに断頭台に──。革命は、この国を変えられたのか。歴史巨編、ついに完結! 毎日出版文化賞特別賞受賞作。(解説/中条省平)
内容説明
盟友デムーラン、ダントンらを処刑台に送り、喪失感に苛まれながらも革命の完成を目指すロベスピエール。最高存在の祭典でフランス人民がひとつになり、対外戦争でも大きな勝利を収めたが、行き過ぎた粛清が恐怖を呼び、公安委員会が分裂。ロベスピエールやサン・ジュストに逮捕状が―。革命は成ったのか。全てを懸けた男たちの運命は。毎日出版文化賞特別賞受賞の歴史巨編、ついに完結!
著者等紹介
佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県鶴岡市生まれ。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。99年『王妃の離婚』で第121回直木賞を、2014年『小説フランス革命』で第68回毎日出版文化賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
83
やっと文庫本での佐藤さんの「小説フランス革命」全18冊を読み終えることができました。フランス革命については様々な歴史の本やミシュレ、マチエなどの名の売れた本は読んできましたがこのような物語仕立てにしてくれるとかなり面白さが倍増します。塩野さんのローマ人も物語と同じです。ロベスピエールという人物は、先の読める人だったと思いますが200年近く生まれるのが早過ぎたような気がします。楽しめました。しばらくしてからまた通読したい気がします。2015/07/28
Book & Travel
34
最終巻。心が壊れかけながらも独裁者として恐怖政治を続けるロベスピエールは、他の議員らとの対立を深めていく。サン・ジュストが立直しを図るが、思わぬ告発から事態は急転し、逮捕そして革命の終焉へ。道は違えど革命の精神を共有していた傑物達はすでに皆処刑され、残っているのは恐怖と保身しか頭にない者ばかり。人民に全てを捧げてきたロベスピエールが、最後は市民達から罵声を浴びるのも皮肉で辛い場面だ。民主政治をやれるほど人は強くないというミラボーの言葉を思い出すが、それでも彼のしたことが後世に繋がったのは間違いないだろう。2024/12/13
Y2K☮
32
誰よりも母国と国民の幸福を願い、私利私欲を捨てて理想を追い求めた「清廉の士」ロベスピエールが「独裁者」「暴君」「殺人鬼」と罵倒され、志半ばで断頭台へ。恐怖を用いて強制される正義なんてうんざり。急ぎ過ぎた事が反動を招き、結果的に革命の完成が遅れて余計な血が流れた。だが彼らのお蔭で今の我々の自由があるのも事実。「三国志」の曹操はあえて帝位に上らず、漢の滅亡を息子に託した。ロベスピエールにもあの鷹揚さがあれば。マクベスを思い出せ。きれいは汚い、汚いはきれい。マクシム、あなたの生涯から学んだ教訓は決して忘れない。2015/05/27
e
24
とうとう完結です。ロベスピエールやサン・ジュストの失脚で幕を閉じた革命。三部会の招集からたった5年とは思えないほど密度が濃かった。ここまで多くの人が血を流したにも関わらずナポレオンの帝政だと思うと虚しさのようなものを感じますが、それでも人権や自由・平等の理念が根付いたことは大きかったんだろうなと思います。次は個々にスポットを当てた作品が読みたいです。2018/12/17
mayumi225
23
全18巻,読み切った!2か月間で革命を疑似体験するようで,あっという間だった。フランス革命の印象が変わった,というか,むしろ今までその実体を何も知らなかったというべきか。フランスという国の,人間くさく,血なまぐさいまでのエネルギーが活き活きと描かれていて納得できたし,理想が燃え上がる刹那の美しさとその高揚が引いた後の醜い停滞の中に,人間の本質を見る思いだった。何もかもが行き詰まっていく革命の最期,ロベスピエール一派のあっけないとも思えるほどの幕切れにあって,サンジュストの美しさが救いだった・・・。2016/12/21
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