出版社内容情報
「zuzu」こと作詞家・安井かずみ。彼女を知る26人の人々のインタビューから、安井の華やかでスキャンダラスな私生活に迫り、数々の伝説で彩られた55年の人生を追うドキュメント。(解説/山田詠美)
内容説明
「危険なふたり」「わたしの城下町」「よろしく哀愁」…。55年の生涯で4000曲の詞を紡いだ作詞家・安井かずみは、1960年代にデビューすると瞬く間にヒット曲を連発。著名人の社交場『キャンティ』に出入りし、六本木をロータス・エランで疾駆する彼女は、上昇気流に乗る日本の「時代のアイコン」であった。生前の彼女を知る26人の証言をもとに、伝説の女、ZUZUの素顔に迫る。
目次
おしゃべりな真珠―林真理子
わたしの城下町―平尾昌晃
片想い―伊東ゆかり・中尾ミエ・園まり
経験―コシノジュンコ
古い日記―斎藤亢
ラヴ・ラヴ・ラヴ―村井邦彦
若いってすばらしい―稲葉賀惠
草原の輝き―ムッシュかまやつ
雪が降る―新田ジョージ
危険なふたり―加瀬邦彦〔ほか〕
著者等紹介
島崎今日子[シマザキキョウコ]
1954年京都府生まれ。ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
57
森瑤子さんを読み、そして仲が良かったという安井かずみさんを読む。連れ合いや家族の力を頼ることなく、自らの力でゴージャスな人生をおくった心意気は素晴らしい。それだからか?幸せにはみえず、悲哀を感じてしまうのが淋しい。繊細で傷つきやすくて、自分や家族を開放できない頑固さを持て余す。何が幸せなのかな。加藤さんが一周忌を前にして再婚されたことよりも、亡くなられてすぐに、かずみさんの写真や服が透明の袋で家の前に捨てられていたというのに一番驚きました。2020/07/08
財布にジャック
55
友人から借りたので、安井かずみさんに興味があった訳ではないのですが、縁あって読むことになりました。読み始めたら、意外にも夢中になりました。自分とはかけ離れた芸能界の人々の暮らしがそこにはありました。日本の有名な方々の名前だけでなく、海外の有名人たちの名前も沢山登場して、凄くゴージャスでした。2015/08/27
エドワード
36
70年代、中学生の私には、中三トリオ、キャンディーズ、ジュリー、新御三家が遥かな憧れだった。「危険なふたり」や「よろしく哀愁」の詞を書いた、安井かずみ。煙草、酒、クルマ、新しい女性、真のセレブ。バブル景気の80年代、流行歌の主流はシンガーソングライターの作品になる。松田聖子の曲が松本隆とユーミンの作になることがその象徴だ。大学生の私には、歌謡曲はキラキラ輝く等身大の現実だった。まさに世は歌につれ。加藤和彦と結婚した彼女はコンサバへ向かい、流行が彼女を追った。その後の日本を知らない彼女は幸せかも知れない。2015/04/05
テクパパザンビア
35
面白かった。私も安井かずみがいた時代を生きていました。もっと素直に僕の愛を信じて欲しい…格子戸をくぐり抜け…今日まで二人は恋という名の…すぐに口ずさめる昔懐かしのヒット曲。安井かずみよりも高橋一三の方が印象深いが…。2020/05/13
わんつーろっく
25
生前の彼女を知る26人の証言をもとに、伝説の女、ZUZUの素顔に迫る。歌謡曲が大好きだった私はリアルタイムで彼女の歌を口ずさみ、加藤和彦と結婚してからのゴージャスなイメージも微かに記憶している。闘病生活を支えた加藤が「寂しいけれど悲しくはない」と言い、一周忌も待たず再婚、離婚、自死。自分で自分を縛りすぎた結婚生活。窪美澄のトリニティを思い出しながら、加賀まりこやコシノジュンコと昔話を語り合う、80歳を過ぎたZUZUに会いたくなった。2020/09/06