出版社内容情報
生き別れた父を待つため、父が残した舟小屋で珈琲店を開いた岬。隣人のシングルマザー・絵里子と彼女の子供たちとふれあううち、独りで生きてきた岬に変化が──。永作博美×佐々木希主演映画のノベライズ。
内容説明
東京で小さな珈琲店を営んでいる女性・岬。自分だけを信じて生きてきたが、幼い頃に生き別れて行方不明の父を待つため、能登の海辺、父の残した舟小屋を改装した場所に店を移転する。さいはての海辺で出会ったのは、キャバクラ嬢でシングルマザーの絵里子と、その子どもたち・有沙と翔太。彼らと触れあううち、頑なだった岬の心に変化が…。永作博美、佐々木希出演映画をノベライズ。
著者等紹介
柿木奈子[カキノキナコ]
1970年東京生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。2004年『Believer』(共同脚本)で脚本家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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柊文庫本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆか
39
映画は観てないけど、この時間の流れ方とか、田舎の雰囲気とか、出てくる登場人物の生命力とかが感じられて好き。主人公は幼い頃に別れた父親に会う為、最後に別れたさいはてにある小屋で彼を待ちながら、その小屋でコーヒーショップを始め、近所のシングルマザー&親子と関わり始める。登場人物が全員悩みを持っていて、それでも進んでいくってのも、読んでいて気持ちが良かった。冒頭に出てきたお父さんの娘に対する優しさ…。何とも悲しくて、切なくて、でも愛されてるって感じが出てて…。コーヒーが飲みたくなる小説。2015/12/23
kaoriction@本読み&感想リハビリ中
30
ゆっくり、静かで、そして、強い 物語だ。途中まで読んでからビデオを観て、また小説に戻った。ビデオの、静かなその世界に、ゆっくりと流れる言葉の少ない世界に、じんわりと涙が流れた。小説は映像との隔たりもなくて、すぐにその世界に引き戻された。言葉で語られなかった部分を言葉で読み、時間の流れを感じる。珈琲の香り、波の音、有沙の声、岬の焙煎する音にギターを弾く音、緩やかに聴こえてきそうな。なんとも言えない、贅沢な時間。岬と有沙の、強さ。絵里子も、みんな、帰るべき場所にたどり着けた ラストの「おかえり」にまた涙。2016/03/21
アクビちゃん@新潮部😻
27
【図書館】映画は知りませんでしたが、サブタイトル~やさしい香りと待ちながら~に惹かれ手に取りました。映画のノベライズ本だからか、登場人物の人物像が弱かったです。主人公が、そこまで父親に固執する理由。シングルスマザーのコンプレックスの理由。子供たちが男を怖がる理由も、曖昧なまま終了。私は、最後に全ての理由が証されるのを待ちわびたのですが(*´-`)流れは、やさしい香りに包まれてました。2015/09/17
Eiichi
24
自分の生まれ故郷の能登の話なので、前から読んでみたかった。これって、シナリオなんですね。映画はDVDが出たら見ます。2015/06/05
えぐざんぽ
23
生き別れた父を待ちながら、さいはての海辺で、コーヒー店を営む岬。コーヒーの香りに引き寄せられるように、優しい出会いが生まれる。終始大好きなコーヒーの香りと、人の優しさに包まれ、癒される読書だった。2016/01/26