出版社内容情報
海辺に佇むペンション。訪れる人々は、みな心に傷を抱えていた。彼らは、海辺で倒れていた不思議な男・才谷の「前世を見せる」力によって生きる力を取り戻してゆく──。新境地! 静かな癒しと再生の物語。
内容説明
ペンションを経営する森川は、海岸で倒れていた美青年を助ける。才谷と名乗る彼は、「前世の記憶」を見せることができるのだという。彼の訪れをきっかけにするように、ペンションには心に悲しみを抱えた人々が集まってくる。彼らの前世の記憶と現世での縁が絡み合って起こる、息をつかせぬスリリングな展開は、やがて、やさしい癒しと明日への希望につながってゆく。静かな再生の物語。
著者等紹介
神永学[カミナガマナブ]
1974年山梨県生まれ。日本映画学校卒。2003年「赤い隻眼」を自費出版。同作を大幅改稿した「心霊探偵八雲 赤い瞳は知っている」で04年プロデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
70
前世が絡む少し不思議なお話でした。前世と現世が交錯することによって優しい希望が見えるようで癒されました。さらさらしていて綺麗にまとまっている印象です。今を生きる為の再生の物語と言えるでしょう。新境地というほどの作品ではないと思いますが、読んでいて心が静かになっていくのを感じました。2015/11/09
ゆきちん
55
ペンションの経営がやっと軌道に乗った森川は海で黒いスーツの男を助ける。彼は才谷と名乗り前世を見せることができると言う。それから、心に傷を負った縁のある人がペンションに集まって来て…スラスラとつながって過去から未来に向かっていく感じのお話。いろいろこの作家さんらしいツボは散りばめられている。たとえば不思議な力を持つ人の瞳はなぜ変わった色をしているのか。才谷の瞳はブルーらしい。ちなみに私の前世は男性のお坊さんらしいです。父と母は前世では親子(母が父親で父が息子)だったそうです。2018/07/03
りゅう☆
51
前世の繋がりで引き寄せ合うように出会う。ペンションオーナー森川、従業員陽子、大学生悠人、人生どん底有田、ピアニスト千里、医師汐見そして前世を見せれる不思議な才谷。各人が見る前世が本人や第三者だったり、繋がってたり違う場面だったりと読み進めては何度も戻りながら、だんだん一つに繋がっていく過程や、才谷のキャラは興味深かったけど、悠人の行動が最初のイメージからズレてたり、他の登場人物にもあまり感情移入できず、全体的に軽い感じがした。今を生きる人たちの物語が書きたいということは続編あり?期待を込めてまた読みたい。2015/10/21
扉のこちら側
44
初読。2015年721冊め。海辺のペンションに前世の記憶に導かれて集まる老若男女。物語の主題は面白いのだけれど、ハードボイルドというかシナリオ的な書き方が私の好みではないのであまりのめりこめず。前世に決着がついたのはいいけど、それに縛られすぎちゃった感じだし。「八雲」も話としては好きだったんだけど…著者はシナリオ書いたらいいのにと思ってしまうのだ。2015/07/01
もも
43
長い間、積読本にしてたのですが、ようやく読めました。前世にまつわる話。複数の人々の視点や時代が変わるなど場面変化が多く、最初はなかなか物語に入り込めなくて困りました。しかし物語が進むにつれて、前世を含めた人間関係も整理されてきたのか一気に読む事ができました。終わってみればそれほど複雑な人間関係じゃなかった(^_^;)才谷さんの前世があの方なのかは明確にされませんでしたが、その方が面白いかもしれませんね。2016/05/18
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