出版社内容情報
天涯孤独のお金持ちでキュートなわがまま娘・ユリと、体は大きいけれど恐がりで心の優しい黒人米兵ロバート。愛し合う二人の、周囲が困惑するほどラブラブな生活を描いた短編集。(解説/おかざき真里)
内容説明
天涯孤独で大金持ちのわがまま娘・ゆりと、横田基地に勤めるアメリカ軍人・ロバートは、何もかもまるっきり違っているけれど、心も体もぴったり馴染んだ恋人同士。怖がりで涙もろい純情青年のロバちゃんは、気分屋で素っ頓狂なゆりちゃんに翻弄されてばかり。周囲に呆れられてもへっちゃらで、いつもうさぎみたいに寄り添ってくっついている二人の日々を描いた、スイートでハッピーな連作集。
著者等紹介
山田詠美[ヤマダエイミ]
1959年東京都生まれ。明治大学文学部中退。85年文藝賞受賞の『ベッドタイムアイズ』でデビュー。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞受賞。89年『風葬の教室』で平林たい子賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
95
面白かったです。可愛くて甘くてとろけそうな連作短編集。ゆりちゃんとロバートが本当にお互いが好きなんだなということが伝わってきて、思わず頬が緩んでしまいました。気分屋のゆりちゃんに翻弄されながらもニコニコとそれを受け止めるロバート。ほのぼのとしたカップルの絵が浮かんできます。ウサギのようにいつも一緒の2人を見ていてこっちまで幸せな気分になりました。2016/08/02
ゆかーん
65
『私、ロバちゃんのこと、すっごく愛してるんだ』と語るゆりちゃん。こんな素直に、気持ちを言葉にできる彼女に感動しました!カップルでもあり、夫婦でもあり、双子でもある2人の関係。そこには、誰も踏み込むことのできない、絶対的に安定した世界が存在しているようです。ウサギのように2人は寄り添い、片時も離れない…。そんな素敵な恋愛ができるなんて羨ましい!ロバートの優しく大らかな人柄と、ゆりちゃんの天真爛漫で自由奔放な性格が、ピタリと合わさって、幸せな世界が作られているのですね。私もこんな相思相愛のカップルになりたい!2016/05/01
さおり
46
ゆりちゃんとロバちゃん。うさぎのようで双子のような、愛し合うふたりのお話。いずれもヘンテコな9つのお話が入ってて、私は中でも「すあまのこども」が特に好きです。付き合っているふたりの、ふたりだけの時ってさ、たぶんみんなおかしいじゃん。まぁ、このふたりは特におかしいんだけども。山田詠美さんを最後に読んだのは10代だったか20代だったか。こんな雰囲気だったっけ?私これ、一生読んでいられるのんだわーと思いました。満足。2021/11/03
橘
29
ゆりに圧倒されながらも、ゆりとロバートの関係がすごく素敵で、こんな結婚ならしたいと思いました。恋愛したい熱が上がります。良い作品でした。2015/04/29
James Hayashi
28
日本に駐留する米兵と金持ちの娘の恋愛。ラノベのような、ファンタジーのような作品で読みこなせなかった。2019/11/18