出版社内容情報
怪異が大好きな変わり者の中将・宣能に気に入られてしまった中流貴族の青年・宗孝。宗孝の姉が、山で「茸の精」を見たと聞き、真相を確かめに向かう宣能と宗孝だが……。平安冒険ミステリー第3弾!
内容説明
容姿端麗で完璧な貴公子だが、怪異を愛する変人中将・宣能。彼に気に入られてしまった平凡な中流貴族の青年・宗孝は、中将とともに怪奇現象を追うことに。秋のある日、尼である宗孝の姉が山中で「踊る茸の精」を見たと聞いた二人は、紅葉見物も兼ねて現地を訪れることにする。この「茸の精」が、帝の妃たちまで巻き込む一大騒動の前触れになるとは、知るよしもなく―。平安怪奇冒険譚、第3弾!
著者等紹介
瀬川貴次[セガワタカツグ]
1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。瀬川ことび名義での著書もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
123
今回は、キノコを食べた影響で幻影を見るというか楽しい話で始まります。が結構陰謀めいた話も出てきて女御の琵琶をひく腕前が・・・。琵琶に絡むところで「陰陽師」の相方の源博雅が羅生門で琵琶を鬼からもらった話が出てきました。時代的には陰陽師よりも後のはなしだということがよくわかりました。それにしてもうまい設定(12人の姉)で話を面白くしてくれています。2021/02/08
kaoru
89
序盤の小さな話が帝を巻き込む騒動に発展する展開力と軽く読みやすい文章で、一気に読んでしまいました。相変わらず小ネタは楽しく、伏線や仕掛けも驚かされます。本当の悪役が見えてきたので次回作にも期待です。2016/07/13
ぽんすけ
85
次々と出てくる宗孝の姉たち。こんだけ大勢いたら確かにいくらでも話作れそうw私弘徽殿の女御が宗孝並に苦手なんですが、今回の話に関してはなんかすごくよくわかる。常に完璧を求められる姫君であることを親に強いられる中、自身も誇り高くあろうと努力するが、楽器だけはどうしてもできなくて、自分の身代わりに女房が弾き、当代一の名人とか言われるの普通に苦痛すぎん?まぁ、それでも性格は悪いんですけどねwでもそういうの知ってるから宗孝母も一の姉も彼女を嫌いと一概には言えないんだろうな。あと雅平が完璧ギャグ要員に!好きだけどw2023/10/30
ううち
83
短編かと思ったけど、茸で繋がっていて読みやすかったです。宗孝さんが開き直ったのか、だんだん中将さまの扱いに慣れてきたような気がします。人より怖い、お好みのばけものに出会える日は来るのか…?2015/07/17
papako
82
シリーズ参。今回も面白かった!中将宣能と宗孝の息もぴったり。今回は天狗。そして女御と宗孝の母の過去。完璧な姫君かぁ。政治、権力のためとはいえ、お姫様達は大変だ!勝子の涙がしみました。十の姉の活躍によって事なきを得たけれど、彼女の秘密が明らかになる日はくるのかしら。右大臣の不気味さも気になる。2018/11/02
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