出版社内容情報
親父臭く嘘吐きな健吾を語り手に、味のある面白さが取り柄の誉、変人だが弁の立つ京野の三人による、輝いてもいなければ大事件も起こらない小学生生活。京極夏彦が贈る〈非・青春小説〉。(解説/松尾貴史)
内容説明
オヤジ臭く、自他ともに認める嘘吐きの内本健吾。モテたいのに女子ウケしないことばがりをし続け、味のある面白さを持つお坊ちゃまの矢島誉。人心を掌握する術と場を読む能力に長け、偏った知識を持つ京野達彦。「馬鹿なことはオモシロい」という信条を持つ小学生男子三人組が繰り広げる、甘酸っぱい初恋も美しい思い出も世間を揺るがす大事件もないが、馬鹿さと笑いに満ちた日々を描く7編。
著者等紹介
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
小説家・意匠家。1963年北海道生まれ。94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
103
くだらないのだけれど、それがおかしかったです。甘酸っぱい初恋もなければ大きなことも起こらないのですが、馬鹿馬鹿しさに満ちた日々が笑えました。小学生の頃は誰しも日常の中で何かを見つけては楽しめるのかもしれません。おそらく70年代が舞台だと思うので、若干世代がずれているのですが、あの頃の子供は今の子供と違い、ちゃんと面白く過ごしていたのだと思わずには入られません。これもある種の青春と言えるのでしょうか。語り口調が親父っぽいのもツボです。2017/05/07
りょうこ
47
馬鹿www。でも各章オチはなんか良い!京極節は変わらないけど終始馬鹿なので軽く読める。それぞれキャラがうまくできてるので飽きず読了!最後の連携プレーは普通に吹いた(笑)2014/09/21
扉のこちら側
43
初読。2015年720冊め。京極さんだからと期待していたが思ったのとはちょっと違かった。昭和の小学生のアホな日常を親父くさい小学生が語るという内容なのだけれど、元ねたがわからなかったり語りが冗長だったりで入り込めず。2015/07/01
さっとる◎
42
京極さん(笑)最初こそんー少し微妙?と思ったけども、遅効性の毒のようにじわじわと(笑)小学生男子三人の馬鹿馬鹿しくどうでもよくそれでいてそこそこ何かしらあるおもしろおかしく小学生らしい毎日が、理屈っぽく、7編。大事なことも恐らくいっぱい詰まっているのだが、笑って面白く毎日過ごすこと以上に大事なことって何だっけ?っていう。鼻で笑う程度のネタがしつこいくらい繰り返され段々笑いをこらえきれなくなり、清々しく(?)読了。運動会の考察とか騎馬戦のくだりが大好きだ(*^^*)2016/04/14
佐島楓
41
小学生三人組のだらだらっとした日常。この年頃、友達とどんなことを喋っていただろう・・・? 覚えていないけれど、小説のようにしょうもないことばかりだったかな? 1970年代くらいのサブカルチャーに詳しい方なら、もっと楽しめると思います。2014/10/28