出版社内容情報
江戸中期の大坂。旅籠「さと屋」の貰われ子で看板娘の花歩は、若手女形の失踪や身分違いの恋模様など、事件に巻き込まれてばかり。そんな中、花歩を捨てた父が残した絵の秘密が明らかに!?(解説/大崎梢)
内容説明
大坂の旅篭「さと屋」の看板娘の花歩。名所案内と案内図「浪花歩図絵」の評判は上々だが、図絵に載せて欲しい店からの付け届けも急増、対応に頭を悩ませていた。そんなとき、花歩の行方知れずの実父が描いた宝船の絵と、そっくりの絵を見たという人が現れて…。秋の名月、晩秋の顔見世興行、冬の雪景色など、風物と共に綴られる全4編を収録。浪花の人情溢れる書き下ろし時代小説、第3弾。
著者等紹介
岡篠名桜[オカシノナオ]
大阪府出身。「空ノ巣」で2005年度ノベル大賞・読者大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
天の川
29
2巻では小休止だった、花歩の姿を消した父の最後の絵の手がかりが見えてきました。新たに市助さんというキーパーソンも登場。反面、これまで登場回数が多かった佐名ちゃんや柊屋の父子などの印象がちょっと薄くなってきたかな。誰もがそれと気づく花歩と千代ちゃんの仄かな想いは、当時の身分制度の中で成就するのは、二人の抱える条件が条件だけになかなかに難しい…続きが気になります。千代ちゃんより、手先の伊佐の方が魅力的ではありますが。年の瀬を迎えた浪花の町、次の巻で花歩に春は来るのでしょうか…2014/11/02
み
24
さくさくと♪佐名さんの結婚に(@_@)どんなお相手なのか、次作に登場して欲しい。千代さん、やきもち妬くのがカワイイ~。2019/10/30
ううち
23
第3弾。花歩ちゃんと千代ちゃんの淡い雰囲気が好きなシリーズ。お父さんの残した絵の手掛かりが少し掴めて話が進展したかな?千代ちゃんのツンデレっぽいのもいいけれど、伊佐さんがちょっと気になる存在になってきました。アマチュア時代からのお友達という大崎梢さんの解説も良かったです。2016/05/02
Koto
18
シリーズ第三弾。旅籠「さと屋」の娘で、町案内を始めた花歩が作った案内図「浪花歩図絵」の評判は上がるばかり。図絵に載れば繁盛間違いなし、なんて噂に躍起になる店も急増。そんな中、ずっと何も見つけられなかった父への手がかりも浮上する。何かにつれ面倒事に巻き込まれるというよりは、関わらずにはおられない、その心根の優しさが花歩の魅力だと思う。千代太郎と別れる度に切ないからと先に背を向けようとするところがいじらしい。千代太郎も少なからず意識しているのが分かる描写が見えてきた。まだ遠い二人、どう交わっていくのだろうか。2015/03/06
waqwaq
17
大坂の風物を描く人情時代小説の第三弾。巻を追う毎にカバーイラストの季節が移ろっていくのもこのシリーズの楽しみだったりします。全四篇収録で花歩の生い立ちに関わりターニングポイントとなる話もあるのでシリーズ全部読んだ中で個人的に一番面白いなと思いました。花歩と千代ちゃんの関係性も話が進むにつれ本当に少しずつですが変化があり、どう着地するのかがとても気になります。お互い意識してるのに焦れったくてやきもきしてしまいます。愛着を持てる登場人物ばかりなのも魅力のひとつです。皆の今後が気になります!!早く続編出て欲しい2014/03/12