出版社内容情報
左遷中の神谷警部補に、連続殺人事件の外部捜査の指令が届く。神奈川県警の捜査ミスを追うチームが組織され、特命の検証捜査を開始。執念の追跡の果てに、驚愕の真相が!(解説/田口俊樹)
内容説明
神谷警部補は、警視庁捜査一課の敏腕刑事だったが、伊豆大島署に左遷中。彼に本庁刑事部長から神奈川県警に出頭命令が下る。その特命は、連続婦女暴行殺人事件の犯人を誤認逮捕した県警そのものを捜査することだった。本庁、大阪、福岡などから刑事が招集されチームを編成。検証を進めるうち、県警の杜撰な捜査ぶりが…。警察内部の攻防、真犯人追跡、息づまる死闘。神谷が暴く驚愕の真実!警察小説。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年茨城県生まれ。青山学院大学卒業。会社勤務のかたわら執筆した「8年」で第13回小説すばる新人賞受賞。スポーツ青春小説、警察小説の分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
177
彩り・栄養とも抜群、その上お味までよろしい幕の内弁当のような警察小説。読者の大好物である要素が程よく網羅されて。主人公は熱くなりやすく、過去の事件ですべてを失った元捜査一課の刑事。新職務でその彼と組むことになった、これも暗い過去を背負った美人(これ大事)で一回りも年下(これも大事)の刑事との絡みもあり。そしてあっと驚く事件の顛末。働きざかりの世の男性がたは、こういう作品で元気をもらえるんじゃないかなぁ。私的には横浜の街並みと、出てくるお料理の描写にもヤラれました。神谷さんはイケメンなの?誰か教えて。笑2015/03/22
あすなろ
145
警察官が警察官を調べる選抜チームで仕事をする。左遷された大島から横浜にて。実際にこんな捜査即ち検証捜査というものがあるのかないのかは知らぬ。しかし、幾多の堂場氏モノと違わず、登場人物の設定が巧み。もう一冊、続編があるようなので読もう。しかし、この神谷はちょっとモテ過ぎ⁈凛との後半のやりとりはカッコ良すぎないですか?堂場先生?羨まし過ぎる描写ですよ、中年男性サラリーマンには。2017/05/02
ゴンゾウ@新潮部
120
神奈川県警の連続婦女暴行事件に逆転無罪判決が下る。捜査段階での違法捜査を捜査する。警察官が警察官を取り調べる。陰湿な隠蔽工作と妨害。主人公の神谷が男前過ぎる。 ドラマ化されたのを知らなかった。【ナツイチ 2019】2019/07/27
いーたん
111
伊豆大島に左遷されていた神谷警部補。何故か神奈川県警管内の事件に端を発した不祥事を調査する警察庁主導の道警、大阪府警、埼玉・福岡県警から選抜された特命班に抜擢された。その事件とは数年前に戸塚で発生した連続女性暴行殺人事件。当時、神奈川県警が逮捕した犯人は裁判を経て無罪判決に。特命班はその検証捜査が目的だった。事件を調査するに従って神奈川県警の悪質な隠蔽体質が明らかになり、かつて神谷が不祥事を起こした事件ともまさかの繋がりが疑われて…初の堂場瞬一でしたが、冒頭から引き込まれて一気読みでした。2017/02/25
さっとん
93
読み応えのある作品でした。 テーマ・内容が重たく、説明が少しくどいと感じる部分もありますが全体的にはサクサク読めます。 身内に甘い警察の暗い部分に切り込んでおり、警察組織への疑念や腹立たしさを感じながらも先読みのできない展開は面白かったです。 ただ、なぜか自分の中で主人公の神谷がどうしても格好良いイメージにならなかったので凜との絡みには違和感を感じっ放しでしたが。 次作の複合捜査も積んでいるので近いうちに読もうと思います。2020/04/16