出版社内容情報
勤め先で左遷され、6年ぶりに故郷に戻った25歳の善幸。職場、家族、友達、恋人……様々なしがらみが彼に降りかかる。現代の若者をリアルに描いた第23回小説すばる新人賞受賞作。(解説/北上次郎)
内容説明
佐藤善幸、外食チェーンの正社員。身に覚えのない女性問題が原因で左遷された先は、6年半一度も帰っていなかった故郷の町にある店舗だった。淡々と過ごそうとする善幸だが、癖のある同僚たち、女にだらしない父親、恋人の過去、親友の結婚問題など、面倒な人間関係とトラブルが次々に降りかかり…。ちょっとひねくれた25歳男子の日常と人生を書いた、第23回小説すばる新人賞受賞作。
著者等紹介
畑野智美[ハタノトモミ]
1979年東京都生まれ。東京女学館短期大学国際文化学科卒。ファミレスをはじめ、新聞社、映画館、出版社などでアルバイトを続けながら小説家を目指し、2010年『国道沿いのファミレス』で第23回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
228
地元に左遷されたファミレス定員の日常の話!青春小説というよりは、ヒューマンドラマの感じ(^^;)主人公、親友も家庭環境が複雑な中で、いろんな事がふりかかって、たんたんと平坦に進んで行く感じですが、露骨というか大胆な表現もあり、気づいたら引きこまれました(^^;)『海の見える街』でも、たんたんと進む感じでありながら引きこまれましたので、これが畑野智美ワールドなのかもしれません(^^)主人公は、人によっては好みがでるかもしれませんし、登場人物も個が強いですが、店長は間違いなくいい人ですね(^^)2016/09/09
❁かな❁
188
めちゃくちゃ良かったです★何回も泣いてしまいました(இдஇ; )畑野智美さんの作品を読むのは2作目。今作ですばる新人賞を受賞されてデビュー!ファミレスに勤めている25歳の善幸が主人公。いろんな登場人物がいて個性的。沢山のエピソードがあり、重いお話もありますが読みながら主人公、綾ちゃん、シンゴ君などいろんな人の気持ちになり、とても惹き込まれました!シンゴ君との強い信頼関係、いろんな人達の愛情など後半から一気にお話の深みも増し感動しました*デビュー作と思えないです!終わり方もとても良かったです♡お気に入り♪2015/10/11
しんたろー
186
畑野さんデビュー作。25歳のファミレス男性社員を主人公にした青春ドラマは、何処にでもある地方都市での日常を描いていて、大きな事件が起こる訳ではないし、主人公も特別な能力がある訳でもないのに物語の続きが気になる。きっと、等身大に感じる人々の行動&台詞が上手いから共感できるのだろうし、それだけでない不思議な力を秘めた文章なのだろう。何よりも、女性なのに男のダメな部分を赤裸々に描ける事に舌を巻く。そして、友情・恋愛・家族という普遍的な話を荒削りだが面白く切なく操る筆力が後々の活躍を約束していたと合点がいった。2018/07/20
おしゃべりメガネ
154
何気ない日常をサラリと淡々と書いている作品で、自分的にはとても好きな部類に入る作風でした。主人公「善幸=ユキ」と幼馴染「シンゴ」を中心に繰り広げられる青春小説です。青春とは言っても主人公が25歳なので、そんなにウキウキするような雰囲気ではなく、むしろオトナへの入り口にさしかかった世の中のシリアスな物事に戸惑いながらも対処していく姿に惹きつけられました。主人公の父親には最後まで嫌気しか残らず、どうしようもないオトコでしたが、母親がこれ以上ない素晴らしい人格者で感動しました。ココロにズンとくる作品でした。2014/08/03
hiro
125
大阪梅田にできたグランフロント大阪を見にいき、そこの紀伊國屋書店で小説すばる新人賞受賞作として平積みされていたこの作品が目に入り購入した。小説すばる新人賞受賞作を読むのは4冊目。青春小説+ファミレスのお仕事小説かと思って読み出したが、他の受賞作と同様、個性のある小説だと思った。はじめは軽い主人公に嫌気がさしてたが、読み進めると色々な登場人物がバランスよく配置されて面白く読めた。ただ、ツンデレ、オタク等、ラストに向かって収束していく方向が読めてしまうのは残念だった。畑野さんの他の作品も読んでみたくなった。2013/06/12
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- 和書
- 私という迷宮