集英社文庫<br> デクリネゾン

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  • サイズ 文庫判/ページ数 456p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087448603
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた最新長編小説。

二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。
最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが───。
恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。

「母親と恋愛って、相性悪いよ。ママは無理やり両方こなしてただけじゃん。何だかんだしょっちゅう家空けてたし」
「多くの人はゼロか百かで生きてないんだよ。二、八とか、六、四とかで生きてる。今は世界的にステップファミリーが増えてるし、母親とか父親を恋愛と切り離すのは保守的かつ不自然だよ」
「私はただ、今の生活が心地いいって言ってるんだよ。ママがデートに行くたびにパパたちとかおばあちゃんが駆り出されてるの、なんかちょっとなって思ってたし」
「子供を持ったら恋愛するなって言うの? 別に子供の心地よさを追求してやることだけが親の人生じゃないでしょ。きつかったかもしれないけど、受験勉強をしたから理子は今の中学に入れた。楽な方にいくだけがいいことじゃない」
───本文より

【著者プロフィール】
金原ひとみ(かねはら・ひとみ)
1983年東京生まれ。2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞。04年、同作で第130回芥川賞を受賞。ベストセラーとなり、各国で翻訳出版される。10年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を受賞。12年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。20年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を受賞。21年『アンソーシャル ディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を受賞。25年『YABUNONAKA-ヤブノナカ-』で第79回毎日出版文化賞(文学・芸術部門)を受賞。 他『パリの砂漠、東京の蜃気楼』、『ミーツ・ザ・ワールド』等がある。


【目次】

内容説明

二度の離婚を経て、中学生の娘と二人で暮らすシングルマザーの天野志絵。小説家として精力的に仕事をこなす傍ら、取材が元で知り合った大学生の蒼葉と付き合い始めた。日々の暮らしの中で、恋と生活が折り合う場所を探す志絵は、蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に切り出す。娘の理子はすぐに答えを出せずにいたが、志絵が同居の話を進めると、理子は迷いの末に家を出て、元夫のもとに身を寄せて―。

著者等紹介

金原ひとみ[カネハラヒトミ]
1983年東京都生まれ。2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞し、デビュー。同作品で04年に第130回芥川賞を受賞。10年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を、12年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を、20年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を、21年『アンソーシャルディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を、22年『ミーツ・ザ・ワールド』で第35回柴田錬三郎賞を受賞。25年『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』で第79回毎日出版文化賞(文学・芸術部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

39
バツ2のシングルマザー志絵は中学生の娘・理子と2人暮らし。仕事に精力的にこなし、大学生の蒼葉と付き合っている。そんな日々は恋と生活の折り合う場所を探す日々でもあるのですね。志絵と蒼葉の関係に戸惑う理子を見ていると、簡単に幸せをつかむことはできないものだと思いました。矛盾と割り切れなさがリアルに迫ってきます。ドロドロしてはいないのに凄いカロリーを感じる作品でした。面白かったです。2026/04/01

よっち

22
2度の離婚を経て中学生の娘・理子と2人で暮らすシングルマザーの小説家・天野志絵。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が周囲を巻き込んでいく家族小説。2人の元夫と相談しながら娘を育て、仕事にどっぷり浸かりながら大学生の蒼葉と恋人関係にある志絵。やたら理屈っぽいのに欲望に忠実で、時々情緒不安定になる彼女が尊重されるから成立する関係でしたけど、わりとふわっとした蒼葉や醒めた娘との関係を見る限りそう簡単なものでもないですね…。食事しながらの会話が中心のストーリーで、積み上げてきた作家の筆力を見せつけられる思いでした。2026/02/20

dynabook77

5
この作品も金原ひとみ先生特有の比喩・描写が溢れ出てて最高。 主人公バツ2小説家志絵が付き合ってる大学生蒼葉との会話、中学生の娘理子と会話、作家仲間のひかりと和香との会話全てが疾走感があってかっこいい言葉の数々。 286㌻)志絵が小説家仲間ひかりとの小説に対する違いを >もし私が小説と激しい殴り合いやセックスをしたい人だとしたら、ひかりは小説をとろけるほど愛し尽くして周囲を綺麗に飾り付けて祭りあげるみたいな愛し方をする人だ。 凄くないすか?この文章😂 そして毎話お酒と料理が出てきて村上龍の小説を感じる2026/04/05

椎名

5
そもそも人生とは、時系列的に捉えるべきものではないのかもしれない。/この一文には本当にそうかもしれないなと思わされた。語り部となる志絵は小説家という職業もあってか言語化能力が高く、だからこそ一見筋の通った理論で武装しているが、その実はただ自己監視を挟んだだけの強い感情一本で生きているような人間だ。だから度々何かに激突し、曲がりながら生きていくしかない。しかしその中で得たこれだけで生きていけるという思い出を増やすこと、が人間が唯一できる自己救済であると思える。美しいラストだった。2026/03/23

ザキ

2
コロナ禍の話を絡めつつ、恋愛と美味しそうな料理、そして濃密な会話の数々。元夫や作家仲間、編集者、娘、新しいカレシ…様々な価値観の異なる人物たちとの濃い会話が本作の魅力である。 恋愛って幸せと思っているのに幸せじゃないと唐突に影が走る瞬間があったり、急に涙が溢れたり、でも笑顔で笑い合ったり、目まぐるしくクルクル変わりながら日々を過ごしていく様が、悲しくもあり楽しくもある。そんな当たり前に改めて気づかせてくれる作品だった。2026/04/08

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