出版社内容情報
太平洋戦争下の過酷に苦しむ人間たちを前に、獅子は動物園の檻の中で何を想う──。表題作ほか、残すべき六篇の戦争文学。
【目次】
内容説明
太平洋戦争下、「けっして瞋るな。瞋れば命を失う」という父の訓えを守り、動物園の檻の中で運命を受け入れて暮らす一頭の獅子がいた。農学校で畜産を学んだ草野二等兵に下された任務は、その獅子の射殺で―(表題作)。昭和四十年の日帰りスキー旅行に思いを馳せる「帰り道」、学徒将校が満洲で奇妙な軍人に出会う「流離人」など、戦争に人生を歪められた者たちの葛藤を描く珠玉の六編。
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951年東京都生まれ。95年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、97年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、06年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、08年『中原の虹』で吉川英治文学賞、10年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞を、それぞれ受賞。15年に紫綬褒章を受章。16年『帰郷』で大佛次郎賞を受賞。19年に菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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じいじ
57
14作目の浅田次郎。偶々、立ち寄った書店の文庫コーナーで「獅子吼」のタイトルに反応して衝動買い。その【獅子吼】から始まる6話の短篇集。「狩り」において、父から教えられたことは、唯一つ「けっして目を瞑るな! もし瞑れば、そこで命を失う…」。それを忠実に守ったので、主人公は美しい妻と可愛い子供を得ることができました。…私は人間社会を語るのに、動物などの世界で〈比喩〉する手法はあまり好まないのですが…。私のお気に入りは【流離人ーさすりびと】同じ「戦争」がテーマでも、話全体がユーモアに溢れていて好きです。2025/11/17
なんてひだ
8
出だしの獅子と青年と交互の文章は変わっていてのめり込んだけど、んでてっきり一冊それかと思いきや。ブルーブルースカイもオーマイガーを知ってるだけにもっとぶっ飛んでと刹那に願うだけ。うーんNHK再放送で母の待つ里を見てすぐなので尚更でした。2025/10/29
tnyak
6
短編集、秀作揃いです。特に、「うきよご」が心に残った。2025/10/09
ミッキーの父ちゃん
0
浅田さんらしい切なさのある戦時ものから、ウィットの効いたラスベガスモノまで、どれも面白い短編集でした🤣2025/11/15




