出版社内容情報
アリを観察し、いのちの不思議さ、まぶしさ、激しさを感じるとは? いのちの輝きを語る詩&エッセイ集。
【目次】
内容説明
小さな体でキビキビと一心不乱に働いているアリが、いのちのかたまりのように見える。いのちの不思議さ、まぶしさ、激しさを感じる。植物も動物も鳥も虫も魚も、アメーバでさえ、個性があるといわれることに気づいたら、自分が人間本意のエゴのかたまりに思えて、いわずにおれなくなった―。自分を震えさせるものがあれば、詩は生まれてくるという含羞の人がいのちの輝きを語る、詩&エッセイ集。
目次
第一章 ぼくがボクでいられる喜び
第二章 一匹のアリ、一輪のタンポポにも個性がある
第三章 身近にある物たちも、いのちのお母さん
第四章 宇宙の永遠の中、みんな「今ここ」を生きている
第五章 言葉で遊ぶと心が自由になる
第六章 体って不思議。老いだって面白い
第七章 生かされていることに感謝
著者等紹介
まどみちお[マドミチオ]
1909年山口県生まれ。詩人。測量・設計・施工、工業学校教師、工場の守衛、本の編集などの仕事をしながら、童話や詩を発表。52年に「ぞうさん」(團伊玖磨・曲)がNHKで放送され、広く愛されるようになる。92年に「まど・みちお全詩集」で芸術選奨文部大臣賞など数々の賞を受賞。94年国際アンデルセン賞受賞。2014年2月104歳にて逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
105
私がこの詩人に初めて興味を持ったのは、「ぞうさん」がイジメの歌だと知った時。「ぞうさん/ぞうさん/おはながながいのね」との悪口でイジメられるぞうさん。でも仔象はビクともしない。むしろ誇りを持って「そうよ/かあさんもながいのよ」。やさしい言葉の中に大切なことが潜んでいるまどさんの詩。自分自身を消し、自然に対する感謝や命の尊さを慈しむ作品の数々。本書は、エッセイ、詩、絵画、写真など、まどさんの思い出に包まれる宝物のような一冊。「含羞の人」が自らの詩を語るインタビューも最高(聞き手の細貝さやかさんに拍手!)。2025/09/02
たっきー
10
まどさんのエッセイ・詩集。自分の身体や小さき命に対する関心がとても強く、素直に感じられたことを詩とされている。歳を重ねらてきたからこその言葉の重みと、一方で軽やかさも感じられる。エッセイのなかでは「マイナスと思われているいろいろなこと、年をとるとか、忘れるとか、飽きるとか、休むとか、あるいは一番大きなところでは死ぬっちゅうこととか、そういうのも本当はみんな必要なことなんだと思います」の言葉が印象的。2025/09/26
mi
1
紹介されていた詩『臨終』で涙、生命の終わりをこんな温かい言葉で表せるのかと、まどさんの言葉を借りて言うと心が震えた。 あの人も、あの子も、まどさんも、こうやって還っていったんだ。そして私もいつか同じところに還っていくんだ。そう思うと何だか嬉しい。それでふと、ああ私生きてて良かったと思った。 もうそれ以上なーんにも言えない、読んで良かった。2025/08/11