出版社内容情報
歌枕をめぐる俳諧の旅を望んだ松尾芭蕉と共に旅をすることになった弟子・曾良の視点から描かれた、著者初の歴史もの。意欲作。
内容説明
俳諧の確立のため奥州への旅を望んだ松尾芭蕉。弟子の曾良はその旅に同行することに。師の抱える矛盾に翻弄されながらも、名句が誕生する瞬間に立ち会える感動も味わう。その凄みや壮大な野望を実感するごとに、彼が創作のためには自らとの別れすらも欲していることに気付いてしまう。軽妙な文体で描かれた珍道中を楽しみつつ、紀行文の最高峰に込められた奥深さを体感できる、画期的な歴史小説。
著者等紹介
関口尚[セキグチヒサシ]
1972年、栃木県生まれ。99年、茨城大学大学院人文科学研究科を修了。2002年、『プリズムの夏』で第15回小説すばる新人賞を受賞して、作家デビューする。07年、『空をつかむまで』で第22回坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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イシカミハサミ
14
俳諧の巨星、松尾芭蕉。 その代表作「おくのほそ道」 その旅の工程を弟子の曾良の視点から 追っていく物語。 関口尚さんといえば青春小説のイメージがあったので、 曾良の年齢が思っていたよりも高くて、 その点ではあまり関口さんの筆で この物語が語られる必要性は薄く感じられた。 ただ終わり方は曾良が語り手である意味もわかったし、 この旅の解釈のひとつとして、とても興味深い形になっていた。2025/06/08
Nori
1
恐らく関口さん初の歴史小説。松尾芭蕉と曾良は知っていたけれどそこまで深い知識はなかったので新鮮な気持ちで読めました。2025/05/23
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