出版社内容情報
川上弘美、第一句集が文庫化!
恋愛、日常、食卓、旅…小説同様、なにげない日常の光景から、男女の機微が浮かび上がる。1994年~2009年の220句をまとめた初句集。新たな川上ワールドの魅力をご堪能ください。巻末に、長嶋有氏と俳句の魅力を語り合う対談も収録。
内容説明
「はつきりしない人ね茄子投げるわよ」「はるうれひ乳房はすこしお湯に浮く」「徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう」作家であり、俳人でもある著者の初句集を文庫化。日常、旅、食卓、恋…さまざまな光景が自由奔放に描き出される220句を、1994年から2009年まで年代順に収録。巻末には、俳句仲間の作家・長嶋有さんと俳句の魅力を語り尽くす対談を追加。あらたな川上ワールドの魅力に浸れる一冊。
著者等紹介
川上弘美[カワカミヒロミ]
1958年東京都生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業。94年に「神様」で第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞。96年「蛇を踏む」で芥川賞、2001年『センセイの鞄』で谷崎潤一郎賞、15年『水声』で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あや
39
2010年に刊行された第一歌集が2024年10月に文庫化されたもの。年を経るにつれ、好きな句が多くなる。モチーフが多岐に渡るのも良い。あとがきが面白い。 貨車二十二輌連結水の春/名画座へゆく落第のおとうとと/ざりがにを赤之介とぞ加賀の子は/冷(すさ)まじや銀河系星二千億/地球米粒冥王星砂粒冬深し2024/11/22
あんこ
26
文庫化されてようやく読めたことがとても嬉しい。たった17文字、そしてそこに様々な制約があるのに、こんなに自由に表現できる俳句の数々、面白かった。初っ端から「はつきりしない人ね 茄子投げるわよ」には笑った。川上さんの数年にも渡る俳句は可愛らしく、時折官能的で、その季節・場面の空気感や匂いが伝わってくる。文庫化に際して新たに収録されていた鼎談記事も楽しかった。2025/06/08
ほうじ茶子
18
鍵を持って出るのを忘れ閉め出されたので、家の人が帰ってくるまでの時間潰しに本屋さんで購入。併設のカフェにて読む。楽しかった!川上弘美さんが俳句されてるのを夏井先生との対談で知って以来、読みたかったので。川上弘美さんの俳句、とても好きかも。どこか懐かしくユーモラスな気がする。あとがき&俳句仲間の長嶋有さんとの対談がまたいい味わい。好きな句三つ。「車座にまじり犬の子枇杷の花」「マーブルチョコ舐めて色とる日永かな」そして「はつきりしないひとね茄子なげるわよ」は、きっと茄子を見るたび思い出すなぁ(笑)2025/03/24
ryohjin
15
川上弘美さんの2010年に出た第一句集の文庫版です。巻末に長嶋有さんとの俳句についての対談がありこれが面白い。本職の話ではないので肩の力が抜けて楽しそうな様子です。お二人が俳句をはじめたのは文学賞に応募した仲間とのネット句会からだそうです。1994年のことで、句集もその年から年代順に選ばれています。川上さんの俳句の言葉選びには時にどきりとするのですが小説では使えない言葉も俳句なら使える、冒険できるとのこと。二人とも句作りは句会や投稿の締切、直前にされるそうです。初心者にはまず句会への参加をすすめています。2024/11/07
量甘
10
川上弘美さんの句集。長嶋有さんとの対談が興味深く、楽しめた。「はつきりしない人ね茄子投げるわよ」「名画座へゆく落第のおとうとと」「徹頭徹尾機嫌のいい犬さくらさう」2025/03/26
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