出版社内容情報
15歳で一揆のリーダーとなった天草四郎と、参謀役とされる渡辺小左衛門。二人のドラマを通して島原の乱の顚末を描いた歴史小説。
内容説明
徳川家光の治世。天草と島原の民は、幕府のキリシタン弾圧と、領主からの搾取にあえいでいた。四郎は兄のように慕う民のリーダー小左衛門から、共に蜂起しようと説かれる。最初は反対したが…。丹念な取材をベースにしつつ、天草四郎をカリスマではなく生身の少年としてその内面に寄り添い、小左門衛とのドラマを軸に島原の乱を追う。歴史上の事件を「体感」することができる、清冽なる歴史小説。
著者等紹介
袴田康子[ハカマタヤスコ]
静岡県出身。1997年、小川良の名義で『妖雲大内太平記』(叢文社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケンサン
1
17世紀島原・天草の乱。キリシタン信仰に生きた人々の葛藤と悲劇を通し、人間の弱さと強さ、そして信念の美醜を問う。主人公四郎は、若干16歳ながらも神の子として祭り上げられその皮肉な運命を辿り、信仰と一揆の旗のもとで破滅へ。画策した村々の指導者たちの姿は、信仰のために命を捧げることを選んだ決意の形。その一人小左衛門のペテロ的役割は、イエス・キリストのストーリーを彷彿とさせ、否定と後悔を通じた精神的な変化をリアルに映し出す。バチカンは支配者への反乱はNG。この矛盾を背景に、信仰か生存を問うがあまりにも儚すぎる。2025/10/27




