出版社内容情報
音楽業界の<便利屋>蒔田は、自作曲のMVがバズったことからカリスマ歌手リカコと知り合い……。苦くて甘い、お仕事青春小説。
内容説明
作曲・編曲・演奏・執筆などを兼業する音楽業界の“何でも屋”蒔田シュン。自作曲のMVがネットでバズり、カリスマ歌手・海野リカコの「三十日連続一位を止め」たことから彼女と知り合う。しかしバズった曲に盗作疑惑が持ち上がり…。歌手、スタジオミュージシャン、アイドル、映像作家、プロデューサーなど、音楽に人生を託す人々の生き様と、大人のボーイミーツガールを描く連作小説集。
著者等紹介
杉井光[スギイヒカル]
1978年東京都生まれ。電撃小説大賞の銀賞を受賞し、2006年電撃文庫『火目の巫女』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星野流人
35
大人の青春音楽小説といったところでしょうか。杉井さんはライトノベルでも非常に魅力的な音楽小説を書いていますが、その雰囲気をそのまま一般レーベルに持ち込んだような感じです。杉井さんのことを知らない音楽好きの方に、ぜひ一度読んでみてもらいたい。音楽業界の片隅で何でも屋をしている蒔田と、彼に興味を持った歌姫・リカコによる大人のボーイミーツガール。前半3話は爽やかな青春劇で、かなり好きな物語でした。後半からは理想だけでは動けない立場の蒔田と、根っからの音楽人間のリカコのすれ違いが描かれ、寂しさを感じてしまいました2024/06/10
芳樹
35
神曲を”かみきょく”だと思い読み進めていて、何やらタイトルと合致しないなーと思っていたのですが、”しんきょく”であったとあとがきで知って(そもそも表紙に書いてある!)、自分の不明を恥じる次第です。「しんきょく」であるならば納得。音楽による「天国」も「地獄」も描かれていて、まさに「神曲」でありました。「音楽」による悲喜交々は「音楽」でしか賄えない。そんな杉井さんの「音楽」を駆使した物語の構成の妙が光りますね。あらすじにある、「大人のボーイミーツガール」というのも納得。音楽と恋愛両面から楽しませて頂きました。2024/05/06
よっち
30
音楽業界の〈何でも屋〉蒔田シュンが、自作曲のMVがネットでバズり、カリスマ歌手・海野リカコの三十日連続一位を止めたことから知り合う大人のボーイミーツガール連作小説集。作曲・編曲・演奏・執筆などを兼業して何とか食いつないでいたシュンがようやくみた日の目と、しかしその曲に盗作疑惑が持ち上がる皮肉。シュンに注目し交流を持つようになってゆくリカコや、様々な人たちとの出会いが広がっていく一方で、彼のこだわりが他の音楽に人生を託す人々の生き様とぶつかり合い認められながら、不器用過ぎる恋も描かれてゆく素敵な物語でした。2024/05/13
しぇん
19
音楽業界の端っこで生きてたはずが段々成功していくお話。と、思ってましたが、中々上手くいくばかりで無いのでビター味も多めですね。まぁ、彼とはどうやってもうまくいく未来は無かったのはしょうがないだろうなと。2024/07/14
seba
16
スタジオミュージシャンやライターなども兼ねる蒔田シュンは、現在三十歳の音楽家。声が掛かりやすくなるためになんでも屋に徹しており、広告の挿入音楽の仕事もまめまめしく果たす。彼は食べていくためにある程度の割り切りを覚えているように見えるが、商業として売れることと自分が本当にやりたいこととの間にはえてして溝があるもの。そのためか、彼が音楽業界で出会うのは、させてもらえないならやらないというスタンスの人物ばかり。自分とは異なる才能と対峙し、時には頓挫を経て皆音楽に生きていく。全体としての締まりは少し弱く感じた。2024/08/28
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