出版社内容情報
親戚の家を追い出され、児童養護施設で暮らす暁_あきら_は、大人を信用できずにいたが……。暁の子ども時代を描く、人気シリーズ番外編!
内容説明
両親がおらず、親戚の家に居候している小学生の暁。優しい叔母に守られて暮らしていたが、叔父の失業をきっかけに、穏やかだった日々は終わりを告げる。叔母の「嘘」で家を追い出された暁は、児童養護施設へ。大人を信用できない暁も、園長の諌早にだけは心を開くようになるが―。“寂しくても一人がいい。誰にも裏切られない一人がいい。”ほろ苦い少年時代の終わりを描く、シリーズ番外編。
著者等紹介
木原音瀬[コノハラナリセ]
高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。『箱の中』『美しいこと』をはじめとするボーイズラブ作品を多数発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那義乱丸
13
ノベルズ版既読。何度読んでも暁の過去はつらい。読んでて心が苦しくなるほど。暁の『一度でいいからあの声で自分の名前を呼んでもらいたかった』の一文が胸に刺さる。書き下ろしのエンドに救われた。リチャードがいてよかった。本編はいつ頃出るのかな。ノベルズ版はここで止まっていて続きをずっと待っていたから、文庫化されて読めると思うと楽しみで仕方ない!2024/05/10
羽田
10
ノベルス版既読。読んだ時に、暁がアルを見捨てられなかったことと、アメリカにかえす選択をしたことにすごく納得できたんだよな。居場所を渇望してきた暁にとって、アメリカが彼の居場所だと思うなら、そこに戻るように道作るよね…そして続きが出ていないことには納得できないというか気になりすぎる。園長の造形が木原さんだなあ。こういうなんとも嫌な手触りの人物を書くのが上手いよね。好き2024/06/02
アンナ
9
暁の考えがどこから来るものなのか、幼少期を描いた作品。苦しい…。本人の気質もあるけれど、あるからこそ、沢山の出来事にその数だけ傷ついてきた暁を思うと、本当にしんどい。アル、早く帰ってきて~泣2024/08/18
なな
7
ダルタニャン物語は三銃士が有名で、当然ダルタニャンが主役の筈だけれど、あれはミレディとアトスの物語だと思う。強く揺さぶられる読後に、なぜか、あの物語をおもった。 シリーズの外伝で難しいけれども、この本だけ単品でも十二分に完結しているので、できることなら、より、多くの人に読んでほしい。 やるせないけれども、嫌な読後感ではない。2024/04/29
万論
7
暁の過去が明らかに。苦しいね。よく大人になったものだと思う。辛い話ばかり。2024/03/24