出版社内容情報
第34回小説すばる新人賞受賞作。
シャチと人間、種を超えた愛と絆を描く、感動の海洋冒険小説!
【ミッション】
世界環境を救うべく、シャチを訓練して海底に沈んだキャニスターを回収せよ――。
海洋研究所で働くイーサンに、国際バイオ企業から依頼が入る。間もなく、捕獲された仔シャチ・セブンが到着。さっそく訓練を開始すると、セブンは人の意図を理解し、驚異的な能力を発揮していく。だが、事態は一変し……。
永原皓(ながはら・こう)
1965年、長野県生まれ。中央大学文学部卒業。2021年、『コーリング・ユー』で第34回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。
内容説明
“世界環境を救うべく、シャチを訓練して海底に沈んだキャニスターを回収せよ”海洋研究所で働くイーサンに、国際バイオ企業から依頼が入る。間もなく、捕獲された仔シャチ・セブンが到着。さっそく訓練を開始すると、セブンは人の意図を理解し、驚異的な能力を発揮していく。だが、事態は一変し…。シャチと人間、種を超えた愛と絆を描く、感動の海洋冒険小説。第34回小説すばる新人賞受賞作。
著者等紹介
永原皓[ナガハラコウ]
1965年、長野県生まれ。中央大学文学部卒業。2021年、『コーリング・ユー』で第34回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しいたけ
66
シャチに課せられたミッション。人の思惑に巻き込まれ翻弄されるには、あまりに魅力的なシャチのキャラクター。切ないシーンが満載なのに爽やかな明るさがあるのはこのシャチのおかげ。ドキドキ・ワクワクが最後まで止まらなかった。映像を見ているように読んではいたが、それでも是非アニメ化してほしい。本当は実写化がいいのだけれど、シャチやクジラの役者の調達がむずかしそうなので。2024/08/31
よっち
40
海洋研究所のイーサンと飼育員ノアのもとに国際バイオ企業から届いた依頼。シャチを訓練して世界環境を救う微生物を収めた貴重なキャスターの回収を目指す海洋冒険小説。好奇心が災いし、従姉のエルと共に人間に捕獲されたシャチのセブン。他動物と言語によるコミュニケーションが出来るセブンが、離れ離れになったエルが苦境にあることをクジラから聞く展開で、やや視点の切り替わりが多く、どこまでがファンタジーなのかも考えながら読んでいましたが、周囲の助けも借りながら困難に立ち向かい、乗り越えてみせたその結末はなかなか良かったです。2024/02/22
tosca
36
シャチと人間の絆、感動の物語…と、ありきたりな言葉でまとめてしまうが、こんなに上手くいくはずがない、こんな良い人間ばかりが集まる訳がない、とか色々思うもののシャチのセブンが可愛い。こんな小説が大好きだ。イーロン・マスクみたいな金持ち実業家の嫌なヤツも出てくるが、まあ許容範囲のハラハラ感なので落ち着いて読める。それが良いのかどうかは分からないが、とにかくこの小説が好き。人間の娯楽のために狭い囲いの中やプールで飼育される大型動物を広い世界に解放してあげたくなる。イルカショーもアシカショーも今の時代に要るのか?2025/01/13
タルシル📖ヨムノスキー
28
あるミッションを達成するためにシャチを訓練する人間と、人間の言葉を理解するシャチの物語。こんなふうに動物と分かり合えたらなんて素敵だろう。でも今人間が動物たちに対して行なっている所業を当の動物たちが知ったら、有効な関係は築けないかもしれないなんて思ってみたり。シャチのセブン視点のパートがあったのがとても新鮮でした。海の中の描写がとても細かく綺麗で、想像力を掻き立てられました。そういえば昔はラッシーとかフリッパーとか、賢い動物が活躍するテレビドラマがけっこうあったけど、最近はそういうの見かけないなぁ。2024/07/06
Nao Funasoko
25
僕らの世代はわんぱくフリッパーの時代から賢い動物との友情物語は大好き。シャチ同士だったりシャチとクジラとの会話部分の描写は抜き出したらそのまま絵本になりそうで素敵だった。2024/03/17