出版社内容情報
将棋会所での大会を控え慌ただしい年の瀬に、実家の料理屋を継ぐ弟の正吾が訪ねてきた理由は? 人情・純情・時代小説最新刊!
内容説明
信吾が営む将棋会所「駒形」、年末の将棋大会も3回目で恒例行事になりつつある。今年の優勝者は?天才少女ハツの順位は?大会準備で慌ただしい師走のある日、実家の料理屋を継ぐ弟の正吾が、折り入って話があると言ってきた。彼の店も忙しい時期に、時間をとって話したい、ということは!?シリーズを通してもほぼ初めて正吾をじっくり描いた表題作ほか、今回も期待を裏切らない全4編。
著者等紹介
野口卓[ノグチタク]
1944年徳島県生まれ。立命館大学文学部中退。93年、一人芝居「風の民」で第三回菊池寛ドラマ賞を受賞。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミド
4
落語の話も嫁姑問題の相談もおもしろい。十二支騒動はよく分からない。夕七が本当に夢に見たのならすごいけど、創作なのではという疑惑が残るのがなあ。戯作者に任せずに自分で書けばいいのに。波乃が19歳というのにも改めて驚いたけれど、結婚が決まった弟も若いなあ。商家では跡取りを作ることも仕事のうちだからこんなものか。そしていつになったら子供は産まれて本当の意味でおやこ相談屋になるのだろう。2024/07/12
鈴木正大
4
4編からなる短編集。特筆すべきは最終章の表題にもなっている「弟よ」だ。宮戸屋の跡取りの弟正吾を主人公にした中編は家族愛に溢れてほのぼのとして幸せな読後感を味合わせてくれて何とも良い気持ちで読了出来るのだ。2024/01/27
goodchoice
3
よろず、めおと、そしておやこと続く相談屋シリーズだが、それぞれに主題が微妙に変化していて、野口さんの秀逸な創作力が発揮されている。今後もどうなっていくのか楽しみだ。2024/03/02
相馬
2
シリーズ第17作目。相談事とか謎解き風の話が少なく、ほとんど市井物。「十二支騒動」とかはピンとこなかったが、「弟よ」はなかなか良い雰囲気。2024/03/12