出版社内容情報
小林記者が注目した競走馬には、明治から連なる血統が受け継がれていた。時代をまたぐ人々の思いと日本競馬の未来を描く歴史ロマン。
内容説明
競馬記者の小林は、異色な経歴の競走馬トナミローザに興味を持つ。取材を進めるうち、日本で初の民間洋式牧場が青森の三沢にあった事実や、歴史の狭間に埋もれた偉人の存在を知る。さらに、敬愛する寺山修司との意外なリンクも。競馬黎明期からの血統を継ぐトナミローザ、その陣営の真の狙いも次第に明らかに。時を経て連なる人の想いは海をも越えていた。史実に基づき、日本競馬の未来を照らす物語。
著者等紹介
島田明宏[シマダアキヒロ]
1964年北海道生まれ。早稲田大学中退。大学在学中より雑誌ライター、放送作家として活動。競馬記事、紀行文、書評、小説、エッセイなど幅広く執筆。2009年、小説「下総御料牧場の春」で第26回さきがけ文学賞選奨、『消えた天才騎手 最年少ダービージョッキー・前田長吉の奇跡』で11年度JRA賞馬事文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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しげき
19
これはサラブレッドの血統を辿る大河ドラマです。競馬とはギャンブルではなくロマンだと思います。とかいいながら馬券もたまに買いますが(笑)2024/05/25
じんこう
5
島田明宏さんの作品。青森県三沢の斗南藩の歴史と競馬との関連、血統の繋がりと遺伝的な考え方、競馬の母国英国と関連深いインドの競馬事情等々、盛りだくさんを1頭の馬を巡る一つの物語に丁寧に織り込まれている。自身でも考えていたことが物語の中で実施されていたり、目先の利益追求だけでなく未来を見据えた馬づくりはまさにタイトル通り。馬も生き物でありそれに携わる人々の馬を大事に思う気持ちも描かれていて馬に近い人が書いたとわかる作品2024/06/19
むらよし
4
まさにロマン満載であった。競走馬血統のそれだけではなく競馬サークルに関わる全ての人々のロマンが描かれている。何とも言いようがないくらい読み応えのある作品だった。舞台が三沢であることも青森在住の私にはたまらない。斗南藩の歴史、寺山修司の作品にも触れてみたい。ないがしろにしてきた障害レースへの見方も大いに変わった。競馬を嗜む人はぜひ読むべし2024/01/04
ぼうず66
2
まず広沢安任の話が面白かった。 寺山修司を絡めるあたりは鉄板だが、やはり感動する。 トナミローザのストーリーはさすがに「上手くいきすぎ」感があるけど、まあこれもまた競馬のロマンではあるね笑 2025/06/19
寝屋川
2
著者の作品はすべて読んでるがロマン溢れる競馬の魅力が充分に堪能できる。競馬にあまり関心がない人も一度読んでほしいな。2025/05/31