集英社文庫<br> さいはての家

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集英社文庫
さいはての家

  • 彩瀬 まる【著】
  • 価格 ¥627(本体¥570)
  • 集英社(2023/01発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087444759
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「この世から逃げたくて仕方がない。
それと同じくらい、この世に触れたくて仕方がない」(本文より)

駆け落ち、逃亡、雲隠れ。
行き詰まった人々が、ひととき住み着く「家」を巡る連作短編集。

家族を捨てて逃げてきた不倫カップル――「はねつき」
逃亡中のヒットマンと、事情を知らない元同級生――「ゆすらうめ」
新興宗教の元教祖だった老齢の婦人――「ひかり」
親の決めた結婚から逃げてきた女とその妹――「ままごと」
子育てに戸惑い、仕事を言い訳に家から逃げた男――「かざあな」


■『さいはての家』の刊行に寄せて、著者メッセージ■

それから、町で彼(もしくは彼女)の姿を見た者はいない――。
こんな一文を最後にいなくなる脇役の人、いますよね。登場人物が多いドラマティックな長編の中盤、なんらかの騒動の後にほんのり印象的なセリフを残して物語から退場する、あの人たちです。
子供の頃から、彼らが物語から退場するたび「どこに行ったんだろう」と気になっていました。居づらくなって、罪を犯して、もしくはなにかに反発して、それまで所属していた場所を捨て、他の土地へ向かう人たち。物語の作者が退場していく彼らではなく、その場に残る他の誰かを主人公に据えているということは、きっと彼らのその後は大してドラマチックでも、面白いわけでもないのだろう……と自分を納得させていた時期もあったのですが、本当だろうか。
ここではない場所へ向かった彼らは、もしかしたらとても個人的な冒険を経て、他の誰も見たことがない、静かで自由な場所に辿り着いたのかもしれない。そんな予感から、五つの物語が生まれました。
それぞれのさいはてを、見届けてください。


【著者略歴】
彩瀬まる(あやせ・まる)
1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。18年『くちなし』で第5回高校生直木賞受賞。著書に『あのひとは蜘蛛を潰せない』『骨を彩る』『やがて海へと届く』『不在』『珠玉』『新しい星』『かんむり』など。

内容説明

郊外に建つ古い借家。植物が鬱蒼と生い茂るこの家には、人生に行き詰まり、逃げてきた人ばかりが住み着く。年上の常連客との不倫の果て、駆け落ちした飲み屋の雇われママ。信者の死体を遺棄した罪で、公安に追われる新興宗教の元教祖。―安息を手に入れたはずの住人たちはやがて、奥底に沈む自身の心の澱を覗き込むことになる。傷ついた人々が、再び自分の足で歩きだすまでを描く連作短編集。

著者等紹介

彩瀬まる[アヤセマル]
1986年千葉県生まれ。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞しデビュー。18年『くちなし』で第5回高校生直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッシュ姉

72
駆け落ち、罪を犯しての逃亡、家族や恋人と距離を置きたいなど、それぞれの事情で行き詰まり逃げてきた人ばかりが入れ替わり立ち代わり入居する郊外の古い借家。小さいながらも緑豊かな庭と穏やかな住環境のさいはての家は安息の地なのか。好きな彩瀬さんの小説、大好きな公子さんの解説なので読む前からわくわく。共感、驚愕、恐怖、安堵、さまざまな感情が押し寄せてきた。やっぱり彩瀬さんは面白い。公子先生の解説はやはり絶品!2023/04/28

tenori

68
読み終わって、タイトルの意味にじわっとくる感じ。地形的な最果てじゃなくて、人生のさいはて。追い詰められてはいるけれど、そこで終わりじゃない。道は途絶えるように見えて、実は続いているんだよね。そんなことを思わせてくれる、シビアだけど温もりを感じる連作短編集だった。ある一軒の古びた借家に入れ替わり住むことになる訳ありな人々の過去と現在。そして未来を予測させながら終わるところが滋味深くて上手い構成だなと思う。2023/06/05

piro

65
これこれ!彩瀬さんのこういったの読みたかった!郊外に建つ築40年以上の家に纏わる連作短編集。古いけれど手入れがされた家、緑豊かな庭。何かから逃げて来た人達にとって、そこは心を落ち着ける事ができるオアシスだった…と思っていると突然おどろおどろしい「何か」が襲いかかる様に現れる。陰と陽、明と暗のコントラストが秀逸で、彼らが目を逸らしていたもの、恐れているものが容赦なく描き出されます。でもそこに絶望感は無く、小さいけれど確かな光が感じられる。解説で評される通り「残酷で容赦なく、そして優しい物語」でした。2023/01/26

mayu

55
駆け落ち、罪を犯して、家族から離れたいなど、それぞれの事情で人生に行き詰まり、逃げてきた人々。そんな人たちが仮の住まいとする古い一軒家。自然豊かで、明るい庭の風景に癒しを感じるけど、光と影は常に隣り合わせ。明るければ明るいほど、暗い部分をはっきりと浮かび上がらせる。見たくなかった本音、真実を知るのは怖くもあるが、それで終わりじゃない。暗さを知るから、また明るい方へと進んでいける。時には逃げる選択があったっていい。それを選べることも勇気だ。不穏さの中にある優しさが胸に沁みる。2025/06/09

エドワード

55
様々な理由で逃げる人々。飲み屋のママと常連客の不倫カップル。ヤクザの鉄砲玉が逃走に乗ったタクシーの運転手、なんと高校の同級生。信者に死なれ、逃げる新興宗教の女性教祖。マリッジブルーの姉とストーカー化した恋人から逃げる妹。単身赴任のサラリーマン。本当に色々な人生があるものだ。各々の章で彼ら彼女らが住む古い家が、徐々に実は同じ家であることがわかってくる。隣が老人ホームで、ゆすらうめの植えられた家。つまり、彼ら彼女らがこの家で暮らした日々は重ならない。この家を出た後、幸せになれたのだろうか。それが気がかりだ。2023/04/09

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