集英社文庫<br> 土に贖う

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集英社文庫
土に贖う

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  • サイズ 文庫判/ページ数 280p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087444513
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

【第39回新田次郎文学賞受賞作】

大藪春彦賞受賞後第一作!
明治時代の札幌で蚕が桑を食べる音を子守唄に育った少女が見つめる父の姿。「未来なんて全て鉈で刻んでしまえればいいのに」(「蛹の家」)
昭和初期、北見ではハッカ栽培が盛んだった。リツ子の夫は出征したまま帰らぬ人となり、日本産ハッカも衰退していく。「全く無くなるわけでない。形を変えて、また生きられる」(「翠に蔓延る」)
昭和三十五年、江別市。蹄鉄屋の父を持つ雄一は、自身の通う小学校の畑が馬によって耕される様子を固唾を飲んで見つめていた。木が折れるような不吉な音を立てて、馬が倒れ、もがき、死んでいくまでをも。「俺ら人間はみな阿呆です。馬ばかりが偉えんです」(「うまねむる」)
昭和26年、最年少の頭目である佐川が担当している組員のひとり、渡が急死した。「人の旦那、殺してといてこれか」(「土に贖う」)など北海道を舞台に描かれた全7編。
これは今なお続く、産業への悼みだ――。

【著者略歴】
河﨑秋子(かわさき・あきこ)1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で北海道新聞文学賞を受賞。『颶風の王』で2014年に三浦綾子文学賞、2016年にJRA賞馬事文化賞を受賞。2019年『肉弾』で大藪春彦賞を受賞。

内容説明

明治30年代札幌。蚕種所の娘ヒトエは、使用人たちと桑の葉を摘む日々。だが、養蚕農家が増え過ぎて…「蛹の家」。江別のレンガ工場の頭目・佐川。過酷な労働関係で年老いた部下が斃れ…「土に贖う」。ミンク養殖、ハッカ栽培、羽毛採取、蹄鉄屋など、可能性だけに賭けて消えていった男たち。道内に興り衰退した産業を悼みながら、生きる意味を冷徹に問う表題作他6編。圧巻の第39回新田次郎文学賞受賞作。

著者等紹介

河〓秋子[カワサキアキコ]
1979年北海道別海町生まれ。2012年『東陬遺事』で第46回北海道新聞文学賞を受賞。『颶風の王』で14年三浦綾子文学賞、16年にJRA賞馬事文化賞を受賞。19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞を受賞。20年『土に贖う』で第39回新田次郎文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

81
(2024-41)明治・大正・昭和・平成の北海道を舞台にした短編集。札幌の養蚕、野付半島のミンク養殖、北見のハッカ農家など、いずれも北海道という厳しい自然の中で続いてきた産業や職業の盛衰が描かれている。表題作「土に贖う」は戦後発展したレンガ産業。ノルマに追われた労働者達の過酷な生産現場は現在の「蟹工船」とも言うべき作品。短編ではあるがどれもずっしりと重く読み応えある小説であった。五つ星です。★★★★★2024/03/22

かぷち

73
栄枯盛衰。養蚕・ミンク養殖・ハッカ生産、かつて興隆を極めた産業がやがて斜陽へと向かう様がなんともうら淋しく、そんな時代に翻弄されながらも必死に生きていく北海道の人々の姿に胸打たれました。同時に、桑や海鳥など資源を喰らいつくすまで止まることを知らない、今も昔も変わらぬ人間の所業に溜息も。生命を真っ直ぐ見つめ向き合っているからこそ書ける、生きるってことはこういう事なのだなと不思議と納得させられる骨太の短編集です。2024/05/06

いたろう

68
表題作他、全7編の短編集。明治時代、札幌・桑園の養蚕業、昭和30年代の別海のミンク飼育業、戦前の北見のハッカ生産、明治時代、鳥島のアホウドリ狩りから北海道に流れついた鳥狩り、昭和30年代の江別の馬の蹄鉄業、昭和20年代の江別のレンガ工場、そして、平成末期の札幌・野幌の陶芸等、かつて北海道で盛んだった産業を中心にした短編集になっている。北見が、かつてハッカで世界一の生産量を誇っていたことを初めて知った。江別のレンガ工場を舞台とする表題作は、主人公の息子の平成の物語に引き継がれるなど、大河ドラマ的な面白さも。2024/07/19

キムチ

67
「肉弾」の受賞後の作品はいかに・・と思い 頁を捲る。北の大地の歴史が果てしない自然と共に眼前に広がる・・背後に消えて行った動植物、産業、そして関わった多くの命と共に。雑誌掲載の7つの短編をまとめた掌品。道に足を踏み入れると目に入る煉瓦、サイロ、厩舎。新政府、屯田兵、殖産興業 とくると雪崩の様に入り込んだ利権業者たちがふった旗の下に養蚕、薄荷、海鳥、煉瓦。。など繰り広げられて行った図が。モノクロ、コマ落としフィルムの様。筆者がこの年齢で物語として再現する筆力は驚嘆するばかり。最後の2編は文芸臭がかなり濃い2024/07/12

piro

54
かつての北海道各地の盛衰を描いた短編集。抗うことができない時代の流れ。容赦無い運命を受け容れ、生き、そして死んでいく。そんな人々の姿を描く河﨑さんもまた容赦無い。『蛹の家』の養蚕、『翠に蔓延る』のハッカ栽培、衰退していく営みに為す術のない人々の姿が悲しい。そしてミンク養殖業を描いた『頸、冷える』はまた違った悲しさに包まれます。でも連作となっている表題作と『温む骨』では弱い人間の確かな強さが一筋の光の様に感じられました。フィクションでありながら確かな存在感を以って紡がれる、地に足が着いた物語でした。2023/04/01

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