出版社内容情報
ホームレスの老人と彼に拾われた不思議な力を持つ少年はやがて対立、地球を二分する戦いに。神と悪魔をテーマにした圧倒的なSF小説。
内容説明
東京の片隅でホームレスの謝花に拾われた少年、臥薪正太郎は500円玉を無限に生み出せる特殊能力を持つ。彼の力と触媒役の謝花を宗教組織に利用しようとする「高階組」幹部、榊原の謀略により、二人は沖縄へと導かれる。やがて対立する臥薪と謝花の戦いは神と地球規模にまで発展―。五感に訴えるディテール描写と想像を超えるスケール感で揉みくちゃにされるSF叙事詩。文字表現の到達点の極致。
著者等紹介
花村萬月[ハナムラマンゲツ]
1955年東京都生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いると
2
「日蝕えつきる」が良かったのでつい見かけると購入してしまう。 神の力を持つ人物を中心に進む話。「ヒカリ」と似た感じの話だなあと思いながら読む。その人物に寄り添う男は無学ながら多数の本から得た知識を持つちょっとインテリでコンプレックスを拗らせたダメ男。多分著者の多数ある分身の一つでこれも定番。 ラスト近く臥薪を繋ぎ止めていた綱を切った場所は「アイドルワイルド!」に出てきたところだなと。 それなりに面白く読めたけど再読はなし。 2025/06/28
万論
2
不思議な静寂さを持った本。ホームレスが育てた子どもの話って、大なり小なり静謐さを纏っている。神の子を巡る狂乱と破壊。本当の所は「だだ愛されたい」のだと。切なさが残る破壊だった。2022/09/24
MIYA
1
初の花村萬月。100人中、99人は自分のように振り落とされる。しかし1人はこの小説を読んだ後、今すぐに沖縄行の飛行機に乗って中城城跡に行き、家庭や生活や社会的地位を全て捨てて「マブヤーマブヤー」と泣きながら唱え続けるだろう。いいですか、「人」という字は手を合わせて神に祈る哀れで愚かな羊を表しているんですよこの豚チンがぁ! 花村萬月、ここまでタガの外れた小説家がいたとは。読む人を選ぶ怪作。選ばれた人は入信おめでとうございます。忠告ですが、沖縄県警襲撃は仲間を集めてからやった方がいいですよ。2023/06/11
sgwk農園牧場(前川)
0
よき。2023/05/05