出版社内容情報
子どもから少年へ。離れに越してきた「つぐも叔父」一家との交流、異母兄弟の結婚など、多感な中学時代を描く、シーナ的私小説最新作!
内容説明
大好きなつぐも叔父といとこの賢三君がぼくたちと一緒に暮らすことになった。父が亡くなり姉も嫁いで寂しくなった食卓は再び賑やかになり、小学校最後の夏休みは冒険の毎日だった。季節は流れて長兄の婚約、次兄の失踪などがつづく中、ぼくは中学生に。その頃にはうっすらとだけど「我が家の事情」もわかるようになってきて―こどもから少年に変わってゆく時期を綴ったシーナ的私小説、最終章。
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944年6月東京都生まれ。東京写真大学中退。世界の辺境地区への旅をライフワークにしている。79年、エッセイ『さらば国分寺書店のオババ』でデビュー。89年『犬の系譜』で第10回吉川英治文学新人賞、90年『アド・バード』で第11回日本SF大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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時代
9
椎名さんの私小説。少年から中学校まで。犬のジョンとの悲しい別れ◯2022/12/28
oooともろー
3
椎名さんの中学時代。正編に比べるとかなり暗い。愛犬・ジョンの末路は哀れ。2024/08/13
桐葉
2
中学生になったシーナ少年。家庭の秘密や事件が続く。犬との別れが悲しい。あとがきが心にささった。2024/08/18
平坂裕子
1
父亡き後、母の大作戦には驚かされた。つぐも叔父、息子賢三君がまた一緒に暮らすようになり、その日々は少年時代、自然の中で楽しいものであっただろう。崇兄さんの自殺未遂、入院、そして愛犬ジョンとの突然の別れ(南の島で会えたのは、ジョンだと思いたい!)時が経ち、家族の知らなかった事実を知り、理解していったのであった。2023/09/12
北刻堂
1
何となく、これまでの氏の著作でも書かれていたエピソードが散見される。カバーの生まれ年を見ると、椎名氏も、もうすぐ80才になるのだな。そういった意味で、少年時代を改めて再整理するために書かれた自叙伝とも受け取れる2023/09/09