出版社内容情報
医術、剣術にすぐれた好漢・左近が長崎から江戸への道中、素走り平次、春太らと縦横無尽に活躍。シバレン円熟期の快作が新版で登場!
内容説明
幌馬車を駈って街道を爆走。おらんだ左近を自称する破天荒や浪人者が長崎から江戸を目指す。対馬で剣の奥義を習得し、長崎で医術を修めた左近。行く先々で起こる奇怪な事件を、彼を慕う元夜盗の素走り佐平次、天涯孤独な少年春太らと共に解決していく。どんな時も前向き、腕はあるが殺生を嫌う心優しきヒーローを描く痛快活劇。閉塞感ある今の時代にこそ顧みられるべき、シバレン円熟期の名作。
著者等紹介
柴田錬三郎[シバタレンザブロウ]
1917年岡山県生まれ。本姓斎藤。慶應義塾大学文学部卒業。在学中『三田文学』に処女作「十円紙幣」を発表。戦後、編集者生活を経て、51年『イエスの裔』で第26回直木賞受賞。78年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タツ フカガワ
45
再読。時代は幕末。尾道の街道に土煙とともに幌馬車に乗って現れた若い男は、対馬で剣を修行し長崎で医術を学んだことからおらんだ左近と名乗る。旅の途中で知り合ったみなしご春太と盗人佐平次を供に、藩存亡の危機や、仇討、怪談話、謎の巨額遺産相続などに巻き込まれていく6話の連作。出自も含め、眠狂四郎シリーズと似た物語構成ながら、虚無の狂四郎に対して明朗の左近、とついつい比較してしまう読書は、いつもより5割増しのテンポの良さで、いやあ楽しかった。2023/10/17
ちゃいろ子
22
実は尾張徳川家の跡継ぎになるかもしれなかった身分で、剣にも優れ、蘭方医学も身につけ博学。 貧しい者からは金を取らず、けして見捨てず。 常に泰然自若。 いやいや、かっこよすぎるでしょ? 野盗の佐平次や、孤児の春太、出会った男たちにも惚れられてしまう。 そんな左近が事件を解決していく短編集。 最後は、え、これで終わり??と寂しくなった。 意外にも初柴田錬三郎。 なぜもっと早く読まなかったのかと後悔。 眠狂四郎や御家人斬九郎とか読みたい本たくさんだ。 嬉しい。2025/08/09
北風
9
医者でイケメンで名剣士って、これはこれでチートなのか? そこまで無敵な強さではないけれど、あれだけ強ければ十分でしょ。それにしても、最初の短編の敵の背景は……、ちょっとドン引きだった。2022/07/26
にしはじめ
3
続編あるのかな2022/11/27
goodchoice
2
意外な設定でシバレンの面目躍如という筋立てだ。2022/11/04