出版社内容情報
同時代を生きた二人の天才音楽家、フレデリック・ショパンとフランツ・リスト。音楽に彩られた二人の激動の人生と、深い友情を描く。
内容説明
19世紀、パリ。フレデリク・ショパンとフランツ・リストという二人の「F」が邂逅する。幼少期からピアノの神童としてヨーロッパ中で注目され、出会う前から互いを戦友のように意識しあっていた二人はすぐに無二の親友となり、ともに音楽の頂点を目指そうと誓い合う。しかし、故国を追われたフレデリクは誰にも明かせない秘密を胸に秘めていた―。天才音楽家たちの友情と波乱の生涯を描く。
著者等紹介
高野麻衣[タカノマイ]
新潟県村上市生まれ。上智大学文学部史学科卒業後、音楽雑誌記者などを経て独立。音楽と歴史、人物の関係性を題材にエッセイ等を執筆・講演している。2021年リーディングシング『Fショパンとリスト』で脚本デビュー。本書が初の小説となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
184
作曲家に詳しくなくても、クラシック音楽に疎くても楽しめる物語。なぜならショパンとリストの二人の熱い友情物語だからだ。お互いに切磋琢磨したかはわからないけど、お互いの才能に惹かれあったことは確かだと思う。親友だからこそ聞きたくても聞けない事、言ってはいけない事もあると思う。親友だとしても言えない事情、秘密もあるだろう。ケンカ別れ、疎遠となったとしても、育んだ友情は、そう簡単には壊れないと、この二人から感じた。はたして、実際はどうだったかわからないけど、間違いなく、この二人には真の友情があったと思う。2022/10/31
KAZOO
92
この題名にひかれて読むとかなりこの二人の作曲家について知っている人には「なんだこの作品は!」となるような感じです。私はエンタテイメントと割り切って読みました。本当はもう少し様々な曲の由来などを知りたかったのですが、この二人の友情にポイントを当てていたようです。若い人たちにこのような作曲がいた、ということをしえてくれるのはいいと思いますが。2022/09/22
NAO
68
幼い頃から天才としてヨーロッパ中を回っていて、故郷を知らず故郷への思いもない代わりにどこにも属していないという孤独感にさいなまれていたフランツ・リスト。ロシアに蹂躙される故郷ポーランドから逃げるようにパリに出てきたフレデリク・ショパン。二人のFは、パリで出会い、急速に親しくなった。同時代に二人の天才がいたら、互いに反目しあいそうなものだが、そうはならなかったのは、リストが才能の差を冷静に受け止めショパンの曲を讃美していたからでもあるだろうが、二人ともが、考えられないぐらい孤独だったからだろう。⇒2022/08/29
キムチ
55
この数年、ショパコンの、30年来のブーニンの、そして反田君の影響多大な事で仕事中の作業曲はショパン・・という事で借りたが。余りにも鼻しろんだ文体と展開で途中リタイア。宝塚が好きな方にはとてもいいかもしれない。2022/08/29
毒兎真暗ミサ【副長】
38
ショパンとリストが残したとされる書簡を題材に、二人がシャーロックホームズ並のドラマを繰り広げるテンポの良い作品。作者は音楽記者でもあり歴史を背景に二人の行き過ぎた友情を描く。本作が処女小説という事もあるのか会話等がラノベチックになってしまってるのがやや残念。絡みも多い。ドラマチックな絆を描くなら濃厚な絡みは一回と決めてほしいし、どキツイシーンで印象付けて欲しかった。テーマをショパンとリストが仲良く事件を解決する展開に的を絞るなら、メンデルスゾーン殺人事件にしても良さそう。そんなノリが許される小説だった。2023/04/20