出版社内容情報
春を迎え、小僧の常吉に、そして信吾にも新たな決意をする契機が訪れる? ミステリー調のエピソードも登場し、読み応えあるシリーズ12巻。
内容説明
春は出会いの季節。自分の相談事ではない、という不思議な客が、信吾と波乃に新たな出会いを運ぶ!?また春は転機が訪れる季節。藪入りで兄弟たちと久しぶりに触れ合った将棋会所の小僧・常吉はある決意を信吾に告げる…。テンポの良い会話に笑ううち、いつしか意外な展開が待ち受ける話や、噂話の謎に信吾が挑むミステリー仕立ての話など、時を忘れさせる面白さ。令和の定番、青春時代小説。
著者等紹介
野口卓[ノグチタク]
1944年徳島県生まれ。立命館大学文学部中退。93年、一人芝居「風の民」で第三回菊池寛ドラマ賞を受賞。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
onasu
14
通しでは12巻目となるこちら。粗筋にミステリー仕立てとある通り、少し趣を変えてきました。個人的にはやや馴染み辛かった(謎も茫洋としていたし…)ですが、新たな試みには賛辞を。 とは言え、一話目は形式を違えた相談事案でもあったし、三話目は将棋会所「駒形」の小僧・常吉の成長譚、また五話目は信吾が新たな事柄に挑戦することになる言わば従来編で、残る二編が一話挟んでミステリー仕立てという仕掛け。 試みがどうだったのかは、後続の巻で分かるはず。既刊のもう一冊、読む楽しみが増えました。2022/11/17
サケ太
14
相談屋に関わる人々の、「転機」。このめおとは強い。今回も面白かった。2022/07/05
kankan
6
相談屋はお金なならないねw 今作は脇役中心の話し。2022/05/24
ミド
5
常吉の成長が見られてほろりとした。自分が奉公先で恵まれていることに気付いて思い悩む気持ちは現代でも通じるものがある。風鈴の謎は意味がよく分からなかった。たまに艶っぽいシーンが差し込まれるけれど、そろそろおめでたの話はないのかなあ。2024/01/19
相馬
4
シリーズ12作目。「空家の風鈴」は解決編「目くらまし」を読んでもなんかモヤモヤする。この中では「初めての藪入り」が良かった。常吉の成長が素晴らしい。2022/07/09