集英社文庫<br> 真実の航跡

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集英社文庫
真実の航跡

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  • サイズ 文庫判/ページ数 448p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087443318
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

太平洋戦争中に起きた非道な捕虜殺害事件。
戦後、BC級戦犯裁判で浮かび上がった、驚愕の真実。
法の正義はどこにあるのか――。
一人の若き弁護士が、“勝者なき裁判"に挑む。圧巻の歴史小説!

昭和19年3月、大日本帝国海軍の重巡洋艦「久慈」は、インド洋でイギリス商船「ダートマス号」を撃沈。救助した捕虜を殺害した。
敗戦後、「久慈」艦長であった乾と、「久慈」が所属していた第16戦隊の司令官・五十嵐は、戦犯として起訴される。戦犯弁護人として香港にやってきた若手弁護士の鮫島は、裁判資料を読み込むうちに、この事件の――大日本帝国海軍の――抱える闇に気づいていく。

【著者略歴】
伊東 潤(いとう・じゅん)
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。2011年『黒南風の海――加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』(PHP研究所)で「第1回本屋が選ぶ時代小説大賞」を、『国を蹴った男』(講談社)で「第34回吉川英治文学新人賞」を、『義烈千秋 天狗党西へ』(新潮社)で「第2回歴史時代作家クラブ賞(作品賞)」を、『巨鯨の海』(光文社)で「第4回山田風太郎賞」と「第1回高校生直木賞」を、『峠越え』(講談社)で「第20回中山義秀文学賞」を受賞。

内容説明

太平洋戦争中、スマトラ沖で大日本帝国海軍の重巡洋艦が英国商船を撃沈し、捕虜を大量虐殺する事件が起こった。敗戦後、若手弁護士の鮫島は、殺害を指示したとされる五十嵐元中将の戦犯弁護人になる。しかし五十嵐に「死刑を受け入れる」と言われてしまう。それでも減刑を勝ち取るため、鮫島は真相を探っていくと、驚愕の事実が見えてきて―。戦犯裁判を舞台に熱い人間ドラマが繰り広げられる歴史長編。

著者等紹介

伊東潤[イトウジュン]
1960年神奈川県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。2011年『黒南風の海―加藤清正「文禄・慶長の役」異聞』で第1回「本屋が選ぶ時代小説大賞」、13年『国を蹴った男』で第34回吉川英治文学新人賞、『義烈千秋 天狗党西へ』で第2回歴史時代作家クラブ賞作品賞、『巨鯨の海』で第4回山田風太郎賞を受賞。14年『巨鯨の海』で第1回高校生直木賞、『峠越え』で第20回中山義秀文学賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

えみ

57
戦争を経験したことのない私が当時の人々の気持ちを推し量り、憐れ哀しみ慟哭することは身勝手でそんな資格もない事は分かっている。それでもたった二文字「正義」の言葉の重さを知ってしまったからには涙を堪えることなどどうしてもできなかった。敗戦国日本の罪は誰が背負うべきなのか。「掟こそ正義」と信じ、誇りを守るためなら死ぬことさえ厭わないという海軍元中将と「法こそ正義」と未来ある日本の為に減刑を勝ち取りたい戦犯弁護士の静かな応酬は、2人の正義がどちらも間違っていないだけに胸が苦しくなる。貫く人は本当に強い。そう思う。2021/12/26

BATTARIA

10
日本軍の戦犯裁判が舞台だけに、最後まで読むのはキツかった。誰かの責任を明確にすると天皇陛下が……という理屈が日本を敗戦に導いたのは確かだが、抗命しなければ命じた上官と同罪とは論外な話で、そういう土壌から生まれたと思うと、アサーションなんていいことでも何でもない。発達障害という言葉が当時あれば、間違いなく海軍兵学校に入れなかったような人物が艦長では、最新の重巡洋艦があっても役に立たんわ。海軍では栗田健男、小沢治三郎、西村祥治、伊藤整一、陸軍の佐藤幸徳、牛島満、長勇、栗林忠道、何とも中将とは損な立場だ。2022/11/03

coldsurgeon

5
平和ボケしている現代から過去を見つめ直す物語である。第二次関大戦末期のインド洋での日本軍作戦行動に関わる、民間商船を拿捕する作戦の遂行の末、捕虜を多数殺害した事件は、私が知らなかったことであり戦後の戦争裁判の人間ドラマは、心をとらえて離さなかった。戦争と国家の所業、人間の尊厳、そして法の正義を真摯に問いかける。人は立場により物事を判断して、自らの行動を決めていく傾向がある以上、戦争を遂行する軍隊の中で、人道上許されぬ行為が起きてしまうのだろう。戦争は正しくないからこそ、結果はいつも悲劇だらけだ。2022/02/20

hiyu

4
多分ビハール号事件がベースになったものだろう。鮫島自身は五十嵐、乾等の振る舞いに翻弄されつつも、法の正義を貫くことの意味を強く問いかけるものであった。文中のメッセージ性も強く印象に残った。2022/12/28

蝉の一生

3
第二次世界大戦中の「ビハール号事件」(捕虜虐殺事件)におけるBC級裁判をモデルとした小説。浅学でどこまでがフィクションかはわかりませんが、今も我が国に根深く残っているように思える(若い人は違うかも)「阿吽の呼吸」や腹芸的な要素、建前と本音の使い分けの器用さなどが悲劇の原因の一つといえそうです。軍隊という極めて指揮命令がはっきりしているはずの組織でこのような事態が発生するとは。欧米の軍隊ではどうなのでしょうか、比較論があれば、知りたいところです。2021/12/30

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