出版社内容情報
明治40年、与謝野鉄幹と四人の若き歌人が九州を訪れた旅を、著者が10年以上かけて追体験。詩情と旅情あふれるノンフィクション。
内容説明
明治40年夏、与謝野鉄幹が北原白秋ら若き4人の詩人を連れて九州を旅した。「五人づれ」という連名で「東京二六新聞」に連載された紀行文『五足の靴』には、その後活躍する詩人たちの才能の萌芽を見ることができる。2018年、世界遺産に指定された長崎、天草の地も踏んでいた彼らの足跡を、森まゆみが歩いた記録。知られざる名著の解説書にして、歴史を体感できる旅へと誘う極上のガイドブック。
目次
大人の修学旅行、東京を出発
安芸の宮島厳島神社へ
赤間が関
福岡
砂丘
灰色の柩、柳河
雨の日―佐賀
吉井勇
唐津
松浦佐用姫の領巾振山〔ほか〕
著者等紹介
森まゆみ[モリマユミ]
1954年東京都文京区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、東京大学新聞研究所修了。出版社で企画、編集の仕事にたずさわった後、フリーに。84年に子育て仲間の山崎範子、実妹の仰木ひろみと地域雑誌「谷中・根津・千駄木」を創刊。2009年終刊、のち「谷根千記憶の蔵」を主宰して、地域資料のアーカイブ化に努める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スプリント
7
文豪達のタマゴ時代の修学旅行の足跡を現代でも辿りながら紹介していくという構成。 今昔が対比できて面白い試み。2022/03/19
てくてく
3
丁度春の広島方面への旅行に持参して、ちまちまと読み進めて読了。明治40年夏の与謝野鉄幹以下5名の中国・九州方面への紀行文とそれを追体験する著者の両方の旅を味わうことができる楽しい本だった。潜伏キリシタン関連で世界遺産に指定された時期とも重なることもあり、あるいは森氏の近代文化財(建築物)保存活動とも重なることもあっていろいろ楽しめる一冊であった。2024/04/09
onepei
3
著者の紀行と「五足の靴」の紹介のバランスがよく、楽しく読んだ2022/02/06
Ayumi Shimojoh
0
読み終えた。関東で望郷の想像で読むより、実際西へ移動しながら読んだ方が興味が湧く。海へ向かっているんだ、という潮風を感じる。海の中道、唐津、長崎、天草市、島原市、水前寺公園、大牟田三池炭鉱。2023/05/09
くんくん
0
五足の靴と言う印象に残る言葉は初めは天草にある宿の名前として知った。その後どういうものか知りたくてこの本を読んだ。明治時代5人の詩人が南蛮文化が色濃く残る土地を巡る旅を詩とともに書いたものだった。それをこの本の作者がその旅をなぞりつつ、その土地の歴史、現在の様子をわかりやすく書いており、とても面白かった。自分が住んでいる所も出てくるので、回ってみようかなと思った。2023/04/25